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布引の滝

P1000013.jpg


小雨の振る中、バスを降りた。
「布引の滝国立公園」と看板に書いてあり、広い広い駐車場があり、
向こうの方に滝が見え、左を見ると向こうの方に東屋があり、そのまだ向こうにトイレがあった。
テントを張るなという看板が書いてある。
その他には、何もない。

しまったと思った。
もっと色々、例えば植物とか遊歩道とかあるだろうと思っていたのに
なんと滝以外には何もない。
公園て書いてあるのに。いや確かに公園だけれども。
とにかく滝の傍まで行ってみることにする。

滝の周りは岩場になっており、この岩場から滝を見上げた私は落胆した。
滝までの距離が遠い上に、ここからでは滝の全貌が見えない。
後ろに下がると岩が邪魔になって見えず、近寄っても岩が邪魔になって見えない。
要するに、どうやっても岩が邪魔になって見えないのである。

どうにかもっと近づけないかと辺りを見渡すと、
滝に向かって右側は水が流れており、左側は山の斜面である。
この斜面は1m弱くらいの高さまで石垣っぽくなっていて、
その石垣の上に2箇所ほど踏み後があった。

そうかここを登っていけばいいのかと足をかけると
思いの外斜面が急であったので、
濡れてはいけないものを入れて手に持っていた防水巾着を首にぶら下げ、
傘・・・は雨が降っているのでさしたまま、再び斜面を登りはじめた。

濡れた落ち葉と泥で滑りそうになるのを踏ん張りながら、
なんとか滝のすぐ傍まで近づくことに成功。
国立公園と書いてあるのに、駐車場やトイレはとても立派なのに
どうして滝の周辺だけこうも危険なのか。
この滝を見るために私は2時間もバスに揺られて疲れ、
木の枝に掴まったため手はドロドロ、
挙句の果てに使用方法は絶対間違っているが首から巾着をぶら下げている。
私がこんな醜態を晒してもここは国立公園と言い張る気か。
何だか納得のいかない思いで写真を数枚撮って引き返した。

いつもの事だが急斜面は登りより下りの方が怖い。
相変わらず足元は緩く、滑り落ちそうになったのでとっさにその辺の木の枝を掴むと
緩い地盤に生えている木は根性がなく、枝だけでなく幹もろとも私に付いて来た。
ああ私はあんなに遭難の心配をしていた縄文杉登山からは無事に下山して来られたけれども
こんな高々2mくらいの斜面から転がり落ちてケガを、
運が悪けりゃ頭を打って死んでしまったりするんだなと頭の隅で考え、我に返った。
冗談じゃない。

「布引の滝国立公園で観光客 骨折」
とか
「頭を強打 それでも滝が見たかった」
みたいな、不名誉な見出しを思い描きながら、私は何とか下まで降りた。
この滝の周辺が未整備である理由は、ここから2時間後に判明する。
【2009/05/30 23:59】 旅日記 | トラックバック(0) | コメント(8) |

バス内乗客模様

やって来たバスの運転手さんは、無愛想なちっさいおっさんだった。
普通であればバス停が近づくとマイクでアナウンスをしてくれるはずなのに
私しか乗っていないからか、じっと黙りこくっている。
乗客が2〜3人くらいになるとアナウンスをしてくれるようになったが、
マイクを通してさえ声が小さく早口なので何を言っているのかわからない。
挙句の果てに運転が荒く、乗り込んだ人がステップから上がった瞬間にドアを閉め、
そのまま走り出すもんで時々座り遅れた乗客(お年寄りが多い・・・)が
あちこちに振り飛ばされていた。

屋久島のバス料金は高い。
私は一日フリーチケットを2000円で購入したのだが、
市内均一料金200円がバスの相場だと思っている私にはこれも高いと思っていた。
が、宿がある安房から大川の滝までの往復で2000円を軽く超えたので
この後、何か悪いことが起こってこの滝巡りが中断になったとしても
今晩の宿まで辿り着けたら損した気はしないと考え直すに至ったのである。

私が乗った時には誰も乗っていなかったバスは、
今朝の出発地点である安房を過ぎた辺りからちらほらと乗ってくる人が増えた。
屋久島に上陸した際に初めて降り立った宮之浦周辺では
大きなスーパーマーケットや家が並び、このスーパーマーケット前で
大量のおばさま方が大きな袋を3つも4つも下げて乗り込んで来る。
相変わらず運転の荒いバスなので、案の定おばあさんがまた一人飛ばされ、
生クリームを大量に買い込んだおばさんの上に降ってきた。

生クリームを大量に買い込んだおばさんは運転手さんをきっと睨み、
おばあさんをその辺の座席に座らせながら
焼酎の瓶を下げたおかっぱ頭でつぶらな瞳のおじさんに向かってあらどうもと会釈をする。
少女のようなこのおじさんは細身ではあるが、
ほっぺたのツヤがアンパンマンに似ていると私は思った。
どうもこの大量のおばさん方を始め、乗っている乗客たちは皆
顔なじみか同じ集落の住民かなにかで知り合いらしい。

宮之浦を過ぎると再び山だの木だのの景色が続く道となり、今度は海が見えた。
"志戸子"という、女の子の名前みたいな所に小さな集落があり、
大量のおばさん方をはじめ、乗っていた全ての乗客が降りていった。
夕飯の買出しにしては遠出であるなと思ったのだが、
もしかしたら宮之浦まで出向いていかねばこの近辺にはスーパーがないのかもしれない。

再び一人になると運転手のおじさんはだんまりを決め込んでどんどんバスを走らせる。
丁度、雨も止んだところに美しい海岸が現れたので
携帯電話を取り出し、写真を撮ろうとするもバスは容赦なく揺れに揺れる。
結局、たったの1枚も撮ることは叶わなかった。

乗ってから2時間くらい、一湊という町で私はバスを降りた。
最後の目的地である"布引きの滝"を訪れるのである。
【2009/05/16 22:34】 旅日記 | トラックバック(0) | コメント(0) |

竜神の滝

P1000023.jpg

辛い辛い車道をやっとこさ降りて来て、
行きにも通った分かれ道にさしかかった。
下から登ってきて右方向が「竜神の滝」、左方向が「千尋の滝」である。
「竜神の滝」はガイドブックには載っていなかったので、
もし、しょぼい滝だったらどうしようと迷っていたのだが、
再び分かれ道まで降りて来て時計を見ると、次に乗るバスまで40分くらいある。
ただ、ここからどのくらい歩けば竜神の滝に着くのか皆目わからず、
もし途方もなく遠かったり山の上とかだったらどうしよう。。などと考えながら
分かれ道の道路脇に立ち止まってやっぱり迷っていた。

せっかくなのだし、10分歩いて水音が聞こえなかったら引き返そう。
と、いうわけで竜神の滝方向へと歩を進めることを決意する。

P1000019.jpg
 道端でこんなにも悩みぬいた挙句、
 勇気を出して決意した割に
 5分も歩くと轟音が聞こえてきた。
 橋があり、その橋から
 山手を見ると大きな滝がある。
 橋を渡ると「竜神の滝」と
 書いてあった。

こんなに立派な滝なのに、千尋の滝のついでに見られる好アクセスな場所にあるのに
ガイドブックに載せてもらってないからかこの滝は訪れる人が少ないらしい。
誰もやって来ないのをいいことに、人目を憚らず携帯電話を構えて写真を撮った。

【2009/05/15 23:52】 旅日記 | トラックバック(0) | コメント(2) |

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