続続・よいこの1日  -

09« 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 »11
--

--

--:--
--
--

No.0

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
10

31

23:57
Wed
2007

No.0316

私の秘密

ここだけの話だが。
実は私、頭にデキモノがある。
それも何ヶ月も前からこのデキモノと共に暮らしている。

髪の毛で隠れているので掻き分けないと見えないが
確かに首の上辺りにこいつはいる。
触るとぼこっと膨れているので生息していることだけは知っているが
場所的に自分では見えないので
一緒に暮らしている癖に自分では未だに見たことがない。
でも確かにいる。
そして、何ヶ月か前に比べたら若干、成長しているような気もする。

私はデキモノに対して寛容である。
昔から動物やハウスダスト、金属など色んなアレルギーを持っており
目にゴミが入ればメイボ、ネコに触ればじんましんのようなブツブツ、
ホコリや植物なんかもすぐにまけてしまう。
疲れると口の横が切れたり吹き出物が現れ、
IDカードをぶら下げるボールチェーンのお陰で首周りは見事にみみず腫れ。
デキモノ如きにぎゃーぎゃー騒いでいたら声が枯れてしまう。
よって、私はよっぽどひどくならない限りはデキモノの存在を許してしまい、
その事態の深刻さに気づかないのである。

さて、この頭のデキモノ。
成長している気がすると思っていたが実際問題、成長していた。
ふと痒くなってきたのでデキモノ確認をしたところ、
コブかと思うくらいに頭が出っ張っていた。
もはやこれは腫れているとかデキモノが膨れてるとかではない。
頭が出っ張っている以外に言いようがない。
しかも引っかいた拍子にカサブタ(?)が剥がれてしまった。
心の中でわーと叫びながら、このデキモノはカサブタがあったのかと
ちょっとした発見に感動を覚える。

しかしこの出っ張った頭をそのまま放置しておいていいものかどうか。
病院に行こうかどうしようかなと考えていると、
考える時のいつもの癖で髪の毛を触っていた。
ついでにデキモノも触っていた。

なるほど。こうやってデキモノは成長するわけだ。
スポンサーサイト
10

30

22:14
Tue
2007

No.0315

雨乞い

438号線
10月28日にちようび。
今日は1年ぶりの場所で
ヲーターフォールを見よう。

お誕生日に好きな場所へ行く。

そういう目的なのである。
いや、滝は毎週のように
見てはいるのだが。

私は438号線が好きである。理由はない。
類稀なる悪路と名高い道ではあるが、とにかく私のヲーターフォール探しは
そもそもこの438号線から始まったと言っても過言ではない。

1年ぶりに訪れたのは雨乞いの滝、日本の滝100選のうちの一つである。
遊歩道から山を登り、5つの滝を見ながらこの滝を目指す。

うぐいす滝

 去年は遊歩道から眺めては
 さっさと通り過ぎていたが
 今回は踏み跡を辿って
 岩場まで降りてみることにする。

なぜって至近距離で見たいというのが一番の理由ではあるが
私が車を降りたのと一人のおっさんがバイクから降りたのが同時だったから。
一つ目の滝までその見知らぬおっさんと一緒に歩くハメになり、
ごちゃごちゃと聞かれるのがうっとうしくなったのである。

観音滝


おたんじょうび。
マイナスイオン。
にちようび。
快晴。
連続するヲーターフォール。
木漏れ陽。

今日という日のこの場所は
どこをとっても素晴らしい。

紅葉にはまだ早く、時間もまだ早いのであまり人はいないかと思ったが
それでもぽつぽつと登ってくる人がいる。
岩の上で座って流れる水を見ているとおばさんの一行に声をかけられた。

―おひとりなの。
―写真撮ったげましょうか。

一人で来てます写真は魂を取られる気がして苦手なので結構ですどうもありがとう。

雨乞いの滝(雌滝) 5つの滝を超え、
 遂に雨乞いの滝に到着。
 先客は親子連れのみだった。
 正面が雄滝、右側にあるのが雌滝だが
 雨乞いの滝といえば主役は雌滝。

 最近気づいたのだが
 岩に張り付いたふわふわの苔が
 どうも好きである。
 ぬるぬるのやつは遠慮したいが。

 先客の親子が岩場を歩く。
 お父さんが雄滝の滝壺に接近し、
 水しぶきを浴びているのが
 どうも羨ましくなってきた。

さて、そろそろ・・・と親子が並んで山を降りはじめたのを見計らって
シメシメと私も滝壺の傍へと岩の上を跳んでいく。

雨乞いの滝(雄滝)岩が小さくなってても平気。
だって私はチビだから。
足だって小さいし
体重だって重くはない。

しかし。
問題は足の大きさ云々ではなかった。
乾いていると思っていたのに
実は濡れていた岩の上に
足をかけた瞬間、

滑った。

右足の膝から下は
気づいた時には水の中にあった。

私は自らのポリシー通り、何食わぬ顔で水から足を引き上げ、
滝壺をちらりと覗いてもと来た道を乾いた顔で降りた。
ただ、右の足音だけが登りの時と若干違うだけである。


雨乞い祈祷にはいくつかの方法がある。
火を焚き、踊りを踊って神仏に祈るものや
水神が住む滝壺に汚物(動物の死体)を投げ込み、
怒った水神が水を清めるために雨を降らせる事を期待するものなど。
この雨乞いの滝で行われていたのは前者の方法らしいが
じゃっこじゃっこと足音を立てて歩きながら考える。

私が足を突っ込んだ事で水神様が怒りはしないだろうか。

いやいや失敬な。そんなのまるで私の足が汚いみたいじゃないか。
首を振って歩を速めるが、山道を歩いたこの靴の裏には
きっと無数のダニのご遺体がくっついていたことだろう。
それでなくともいきなり目の前に足が落ちてきたら水神様だってイヤに違いない。
雨など降りませぬように。

さて、本日火曜日の晩にばばる県で降った激しい雨は
私が滝の前で足を突っ込んだこととはきっと無関係である。
もし関係があるとするならば、私は祈祷師にとらばーゆしようと思う。
10

28

23:26
Sun
2007

No.0314

おたんじょうび

ケーキ

今日はわたくしのおたんじょうびでした。
皆様の温かいコメント、ありがとうございました。
ブログのお祝いコメントっていうのは
とても嬉しいものです。

長文・駄文なブログではありますが
これからも更新を続けていきたいと思っておりますので
今後ともお付き合いの程、
どうぞよろしくお願いいたします。

10

27

23:27
Sat
2007

No.0313

前々夜

顔をテカらせて社内を走り周る夕方。
おいと支店長に呼び止められ、ドキドキしながら後をついて行くと
給湯室の前で止まった。
「冷蔵庫にケーキがあるから持って帰りなさい。」
え。という顔をしていると、お誕生日やろいくつになるのと言いながら彼は去った。
そう、日曜は私の誕生日である。
ありがとございますと一応嬉しそうな顔をしてはみたが
心の中では、言いたい事はそれだけかいと思った。
誕生日は歳をとる日なのにいくつになったのはないんじゃないか。

ケーキの箱をぶら下げて更衣室へと向う帰り際。
「それはなに。」
K殿に尋ねられたので、支店長にバースデイケーキを頂きましたと答える。
「ふーん。で、明日はどうする?」
明日・・・そう、明日は会社の先輩のお母様のお葬式である。
どうするってどうするって行かねばならんでしょう。
と答え、お香典の額について話し合った。
でも明後日は私の誕生日なんですと言う言葉は心の中に留め置いた。

もはや習慣になった整骨院。
腰は殆ど痛くなくなったのでもう来たくないと先生に告げてみる。
先生は、予防のためにもまだしばらくは来なきゃダメと言った。
えーとしぶっていると、
「明日は一日お休みしてもいいから明後日おいで。」
とのこと。そこで、今週末はたんじょうびがあるから月曜まで来ないと言ってみた。
どこか行くのかいと聞かれたので、どこへも行かないけど
お誕生日くらい自分の好きなことをしたいのだと答えた。
それに対して先生は、
「ここへ来たらお祝いしてあげるよ。」
・・・あげる?
何だか腹が立ってきたので、いや結構と断って帰った。

ご飯を食べてくつろぐ夕べ。
携帯にメールが来ていたので見てみると
大学時代のボランティア仲間が嫁に行くことになったとの報告。
おめでとうと返信をして、電話をぽいと投げた。

久しぶりに飲みに行こうかなと思いついた夜の10時。
支度をしてタクシーを呼ぶため電話をかける。
「あーすんません。出払ってて今は1台も車ないです。」
ぶっきらぼうなおっさんに断られた。
仕方なく、道行くタクシーを拾う。

いつも行くバーには、先客が2人いた。
ハリネズミが大分慣れた話や滝の話や旅行の話を
見知らぬ先客2名と店員を交えておしゃべりしている中で
明後日は誕生日だというのに明日はお葬式だという流れになった。
「え。お誕生日。それはおめでとう。」
色んな人にアピールしてみたけれどやっと言ってもらえた。
「誕生日は明後日か。遅くなるけど来週末も来てくれるかい。
俺の一番好きなお店でケーキ買ってくるからお祝いしよう。」
金曜と土曜のどっちにするかは来週、電話で相談しようとのこと。
眠かったしどうしようか迷ったけど来てよかったわと
尻尾を振り振りマスターにお礼を言い
上機嫌で帰路に着いた夜中の3時。
10

26

21:35
Fri
2007

No.0312

かえるの子はかえる

起きたらどしゃぶりの雨だった。
おかーしゃんと一緒にコーヒーとトーストの朝食を済ませ、
そそくさと毛づくろいをしてから家を出る。
雨の日の外出はユウウツだけれども今日は金曜日。
あと1日がんばろうとバス停へと向かった。

家から5mくらい歩いた所で足が止まる。
あまりにも雨が強いので足が濡れてしまった。
これはいけない足が溶けてしまうわときびすを返して家へ帰った。

おかーしゃんおかーしゃん。バス停まで送っておくれでないかい。
と帰宅すると、家の前でおかーしゃんとかのんが言い合いをしていた。
「ダメダメ。トイレが終わるまで家の中には入れませんからね。」
「ヤダヤダ。雨がやむまで外でトイレなんかしませんからね。」
おっまたやってるなとしばらく離れた所からその様子を眺めていた。

「家の中なんてそんなんダメ。外でしなさぁい。」
「ヤダヤダ。足が濡れると溶けるからお外は絶対にイヤだぁぁ。」
かのんはそう言って泣きながらおかーしゃんによじ登ろうとしている。

はっとして私は自分の足元を見た。
10

24

22:48
Wed
2007

No.0311

とっさの一言

私は事務職のスペシャリストであるが
今週は窓口でお客様のお相手当番である。
とは言え、最近はお客様の数もめっきり少なくて
午前中の仕事はと言えば、椅子に座ってはあくびをかみ殺し、
眠気覚ましに次長にちょっかいを出す業務である。

さて、そんな折に一組の親子がやって来た。
いらっさいましとご挨拶をしてから用件を聞く。
一通り彼らの用事が終り、席を立った瞬間にお父様が尋ねた。

「これはなに。」

指差した先には木箱に入ったカラーボールがあった。
この質問はよく受けるので得意である。
「防犯の為のカラーボールです。」
自信を持ってこう答えようとした。
なのに、ふと口をついて出た答えは、

「わるーい人に投げつけるやつです。」

・・・しまった。私としたことが。
何でこんなことを言ってるんだバカバカと心の中で自分を叱ったが
言ってしまったものは仕方がない。
しかしせめて「強盗が入った時に・・・」とか言いたかった。
いやいや、もう1歩譲って「悪い人」とか。
どうして「わるーい人」なんて事になるんだろう。
何だか悲しくなった。

お父様は
「ふーん。カラーボールかぁ。。。」
と、私の間違い(?)を訂正して帰った。
10

22

22:02
Mon
2007

No.0310

50歩100歩

疲れたーと家に帰ると
おかーしゃんとかのんが走ってきた。
どどどどうしたのと尋ねると、
おかーしゃんは嬉しそうだがかのんは半泣きである。
珍しくケンカでもしたのかもしれない。

おかーしゃんは勝ち誇って言った。
「今日はおかーしゃん、かのんに勝ったのよーぃ。」
最後の「ぃ」が気になるところだがやはりケンカらしい。
かのんはすねてしまい、ちゃっちゃと自分の椅子の上で寝てしまった。
第三者として、事の詳細をそれぞれに聞くことにする。

―おかーしゃんの言い分
発端は私宛の宅配便。
おかーしゃんがお買い物から帰宅すると、宅配便が届いた。
宅配便の受け取りをしている隙を狙って
かのんは買い物袋においしいものが入っていないか覗いてみたらしい。
そして、おかーしゃんが明日の朝ご飯に
食べようと思って買ったというパンを発見。
喜び勇んで食いついたところでおかーしゃんに見つかる。
がうがうとキバを剥くかのんと決死の格闘の末、
見事パンを取り上げたのだそう。
しかし、食べられこそしなかったものの
パンには歯型がついてしまったためおかーしゃんはパンを捨てた。

「これがその証拠にございます。」
と、おかーしゃんはゴミ袋の中に入った歯型つきのパンを見せた。
かのんはパンに歯型をつけたけれども一口も食べることなく
おかーしゃんが奪取したので今回はおかーしゃんの勝ちなのだそうだ。

―かのんの言い分
事の発端は私宛の宅配便。
おかーしゃんがお買い物から帰宅すると、宅配便が届いた。
おかーしゃんが宅配便の受け取りをしている隙を狙って
かのんはおかーしゃんがその辺にぽいと置いた買い物袋に
不審物が混入していないかチェックをしていたらしい。
と、そこに何やら怪しいモノを発見。
何も知らないおかーしゃんが毒など食べては大変と思い、
念のため開封して調べてみようと食いついた所でおかーしゃんが戻ってきた。
夕飯の支度途中のはずなのになぜかモップを持ったおかーしゃんと
決死の格闘の末、あえなく不審物を奪われた。
おかーしゃんはブツブツ言いながらその不審物をゴミ箱に捨てた。

「あれが証拠にございます。」
と、ゴミ箱の中にある歯型つきのパンを肉球で指した。
かのんは調査途中の段階で不審物を取り上げられたけれども
結局のところ、その不審物をおかーしゃんが食べなかったので
おかーしゃんが元気でいられるのは自分のおかげなのだと言った。

―私の判定
どっちでもいい。
10

18

23:24
Thu
2007

No.0309

進化系babar

友人の中に、永久歯を持たない人がいる。
いや、オール乳歯というわけじゃあなくて永久歯の数が少ないのである。
友人曰く、人間の進化における退化であるとのこと。
本当かどうかは知らないがその話を聞いた時、
へー。じゃ、同い年なのに私より進化した人間なのかいいなー・・・
と、大変羨ましく思ったものである。

友人の中に、水かきを持たない人がいる。
これは結構多くの人が該当すると思うのだが
私の友人ほどきれいに水かきがまったくない人は見たことがない。
くらいに水かきがないのである。
友人曰く、人間の進化における退化であるとのこと。
これは多分、本当なのだろうがその話を聞いた時、
へー。私はカナヅチにも関わらず水かきがあるのに
このコは泳げる癖に進化したから水かきがないのかいいなー・・・
と、大変羨ましく思ったものである。

自分が旧式であることを悲しく思い、
だから私は昔の人みたいにチビで足も短いのねと、
すらりと長身で手足の長い最近の女子中高生を眺める日々なのだが、
もはや日課となった整骨院にて先生とこんな会話をした。

―一つ問題があるとすればこのお尻が出っ張ってる事ですね。
―出っ張って・・・と、言いますと?
―うん。まあ、出っ尻やね。

でっちり・・・と聞いて、アヒルの後姿が連想された。
失敬だな。と思った。

―自分で違和感がないかい。この辺が出っ張ってるの。
―イエ、昔からこんなんなんで知らないです。

憮然としてこう答えたが、知らないことはない。
口の悪い小尻(当時。赤さんを産み落とした今は私ときっとそんなに変わらない)のpinguに
昔から尻がデカイデカイと言われ続けてきたのだ。
小尻(だった)のpinguに言われるだけならまだしも、
おかーしゃんにまで言われていたんだから知らないわけがない。
尻がデカイ事はよぉく知っている。
気にしているのにいくら先生とは言え、殿方に指摘されるなんてひどい話である。

頭の中でアヒルがあっちを向いて歩いている様子を思い浮かべていると
先生は、出っ尻は進化した現代日本人の体型なのだと説明(フォローとも言う)してくれた。
昔の日本人はお尻が平らで寸胴だけれども、
最近は欧米人ぽい出っ尻の骨格を持った人がたまにいるらしい。
しかしこの出っ尻は平らなお尻よりも腰を痛めやすいのだそうだ。

"進化した"という響きにちょっと心が弾みながらも、
あんまり出っ尻でっ尻と連発しないでよと微妙な気持ちになった。

食生活の欧米化などによって日本人の体型が欧米化傾向にあるという話はよく聞く。
後から冷静に考えると、平らな方が都合がいいのに出っ尻になっているのは
「進化」ではなく「変化」と言うのではないのだろうか。
進化系babarの道は遠い。
10

14

23:25
Sun
2007

No.0308

約束

起きたら10時だった。
その上、ATMでお金おろさなきゃ文無しだ。
空は曇っている。
でも。
いつの間にかこんなに涼しくなってしまって。
そう言えば久しく山へ行っていない。
今日はおかーしゃんもいないことだしそろそろ出かけねば
12月になるとまた山が閉ざされてしまう。

天泊り淵
 と、いうワケで行ってきました。
 ただ、件の腰痛のおかげで
 先生に遠出のドライブを禁じられているし
 出だしも遅いのでちょっと遠い近場に。
 
 ここは上勝という村である。
 淵の看板を見つけ、適当に車を停める。
 ここから先にはいくつかの滝があるらしいが
 下調べもそこそこに出て来てしまったため
 多分見つけることは叶わないだろう。
 と言うか、十二分に下調べをしたところで
 滝まで辿り着いたことは殆どない。
 しかしこれまでの痛い経験もあり、
 ツウな滝は極力求めないことにする。

山を登る途中、岩屋があるとの看板を見つけた。
行ってみようと試みるもクモの巣にかかりまくった挙句
道が10cmくらいの細さになってしまった。
こんなの横向きになっても問題なく落ちる。
やーめたと引き返すとビールを片手に持ったおっさんに
―こんにちは。
と、声をかけられた。隣にはそのお母様らしいおばあさん。

―岩屋を見に行ったんだと思ったけど違うのかい。
―見に行きましたが道がわからなくてやめました。
そう答えると、おっさんは今から岩屋の掃除に行くので
せっかくだから一緒に行って見てってくださいと。
どうやら先祖代々からこの岩屋を守っているおっさんらしい。

吉ヶ平の岩屋
おっさんと私がゆっくり歩き
その大分後ろからおばあさんが
また一段とゆっくり歩いて山を登る。

・・・登るのか。
さっきは私、沢を降りていた。
全然方向が違うじゃないか。
そりゃクモの巣にだってかかるわけだ。

―この辺も過疎で人がいなくなってね。
おっさんは言った。
昔は年に一度、火を焚いて
お祭り(?)もしていたらしい。

岩屋は、思ったよりも全然立派なものだった。
以前訪れた天の岩戸も確かに立派だったが、こっちの方が大きそうである。
―立派でしょ。もっと場所がよかったらみんなが見に来てくれるのにね。
おばーさんは寂しそうに言った。
まったくこんなすごい岩屋なのに誰も知らないなんて。
ここは岩の上に登ってもいいらしく、岩の上にも祠があると教えてくれた。
が、昔々は岩の上は女人禁制だったと言う話を聞き登るのはやめた。
それでなくとも苔のびっしり生えた岩を登るなんて滑り落ちそうだし。
―今の時代、女人禁制なんて言ってちゃ何にもならんです。
と、おっさんは勧めてくれたが。

11月3日に火を焚いて一応お祀りぽいのをやるのでよかったらまた来てと誘われた。
へんぴな場所に訪れる人は皆無で久々の客人が嬉しかったらしく、
お土産にとお供え物のお菓子をくれた。
おっさんとおばーさんに、素敵な所へ案内してくれてありがとうとお礼を言い、
11月3日にまた来ると約束をして一足先に岩屋を去る。

帰る途中、行きはいなかったマムシのご遺体を発見。
見事に頭を何かで砕かれていた。
すごい。命中じゃん。と、感心していたが、

ところで、私たちの他に誰か来たっけ。

という考えが頭をもたげる。
おっさんはゆったり歩きながら私とおしゃべりをしていた。
マムシなんてその時はいなかった。

80歳を過ぎていそうなおばあさん、実はなかなかの人物なのかもしれない。

轟の滝
 先を進むと"轟の滝"という看板。
 とどろき・・・
 イヤな名前である。
 ばばる県には至る所にこの名前の滝はあるが
 前回の水没事件はまさしく"轟の滝"である。
 ただそっちは、日本の滝100選に選ばれている
 とても大きな滝だが。

 さっきマムシのご遺体を見たため
 若干ビビりながら草むらを進む。
 木の棒を振り回してクモの巣を避けながら。
 
 上勝の"轟"は前回(海陽町)の"轟"の
 10分の1くらいの小さな滝だった。

この滝が悪いわけじゃないけれども、どうも気分が乗らない。
"轟"という名前からして私にとっては不穏だ。
と、考えると分け入ってきた草むらも周りの森も水の流れさえも
すべてが怖いもののように思えてきてすっくと立ち、この場を去る。

コスモス畑

温泉に入って腰を労わった後、病院に行かなきゃとブイブイ車を走らせる。
川沿い一面にコスモスが咲いていた。
休憩がてらコスモス畑で座りながら、
"11月3日に岩屋へ行くコト"
と、頭の中のスケジュール帳に予定を書き加えた。
10

12

23:21
Fri
2007

No.0307

バスの車窓から

物売り

3時間半を快適に寝て過ごし、
お土産も買わなきゃなので
早めに空港へ戻る事にする。
バスの車窓から景色を眺めながら
サンパウロ、何も見てないな。
どんな街だったかわからず終いだな。
と、急に寂しくなってきた。

せめてバスの窓から街の様子を見ておこうと思った。

殆ど歩いていないが、サンパウロは大変な都会だった。
ばばる県には存在しないような大きなビルがたくさん並んでいた。
幾度となく使った飛行機の窓からは、想像を絶する数の住宅がひしめきあう様子が見えた。
もちろん、バスの窓からもたくさんの家々が並ぶ様子を見た。

すごい街だと感心していると、暗い路地が目に入る。
走行中なのであっという間に過ぎ去ったがどうやらスラム街のようである。
その次の通りからはまた何事もなかったかのように普通に家が立ち並んだ。
しかしそのスラム街の光景はすさまじく、
いつか訪れたケニアのそれとはまったく様相の違うものだった。
私が訪れたケニアのスラムは郊外だったためか
舗装はされていないが広い道沿いに家が並んでいて、
その家も比較的広く中には庭のようなものまで塀で囲って作られているものもあった。
しかしさっき見たスラムは家の上に家が建ってるぐらいの勢いで
ぎゅうぎゅうにトタンの家?が並び、道も狭く、
ゴミ(?)も山盛りでそのトタンの家と同じくらいの高さになっている。
通りが一つ違うだけでこんなにも生活水準が違うものなのか。

バスはどんどん走って街を外れた。
高層ビルがなくなり、住宅地になり、橋があり、学校があり、
少年達がサッカーをするグラウンドを過ぎる。

少年 マクドナルドがあり、
 ショッピングセンターのような
 大きな建物があり、
 そこから50mくらいの場所に
 またスラムがあった。
 さっきと同じく粗大ゴミ(?)と家が
 てんこ盛りになったような区画の前で
 そこに暮らしているらしい男性が
 笑いながら幼い子供を
 "たかいたかい"していた。
 彼の周りには女性が何人か立っていて
 その様子を微笑ましく見ている。

そんな幸せそうな家族の様子が
私がサンパウロの街で見た最後の光景なのである。
10

11

21:42
Thu
2007

No.0306

サンパウロの天使

サンパウロに降り立ったのは早朝の5時。
時差のため、4時間しか飛行機には乗っていないが時間は1時間進んでいるのである。
そして気温がとても低い。
寒い寒いと思いながら、サンパウロ市街へのバスチケットを購入し、
ふかふかソファの空港バスで移動した。

サンパウロの広場
バスから降りると前には広場があり、
黄色いテントが立ち並んでいた。
車の量も多く、高いビルが立ち並ぶ。
ばばる県よりもよっぽど都会である。
どうしようかなととりあえず
広場の一角に座り込んだ。

去年の教訓は生かされていない。
タイでも確か最終日に都会を訪れ、
ヘトヘトに疲れたというのに。
一気にストレスボルテージが
上がっていくのを感じた。

常夏マナウスとの気温差(10℃くらい?)も相まって私は本当に疲れている。
しかしせっかくなのでどうしても歩いて街の様子が見てみたい。
立ち上がり、歩き出す決心をした。

真っ直ぐ真っ直ぐ歩いてビルの谷間や商店街の中を抜けた。
日が昇り、お昼が近づくにつれて真夏のような暑さになってきた。
それでもひたすら歩き続けているとセー広場についた。
傍にある立派な教会の写真を観光客らしく撮ってみたら
大きすぎて入りきらず、てっぺんが切れていた。
遠くから撮り直す気力はなく、もういいやと投げやりに再び歩き出す。

いつの間にか東洋人街に来ていた。
ここはアメリカのリトル・トーキョーと並ぶ、数少ない日本人街である。
暑さは大変なもので、その辺にあった店で水を買った。
店主の日系人はポルトガル語しか話せなかった。

飛行機の時間は夜の9時で今はまだお昼前なのに、
私はもう観光するのもイヤになってきた。
だって体調が悪い上に前日は機中泊なのだ。
安そうなホテルを探して横になりたい。
9時の飛行機というのは日本へ帰る飛行機である。
10時間+12時間+1時間の長いフライトで機中泊、つまり座りっぱなしなのだ。
しかも飛行機の中は超寒いのである。

そこへ、"HOTEL"と書かれた看板を見つけた。
ボロそうなホテルだったが飛び込んで予約してないが空いているかと聞いてみた。
カウンターにいた若い殿方がポルトガル語で何か長文を喋った。
・・・何だか歓迎されていないような気がしたので
じゃあいいですありがとうと言って建物を出た。

ホテルホテル・・・と探して歩くも目ぼしい所は見当たらず、
結局お昼の12時くらいに元の広場へ戻ってきた。
また座り込んでどうしようと悩んでみた。
いつもはガイドブックを持って来るのに今回は荷物を減らすため、
必要な部分だけ切り取ってきた。
よって泊まるつもりのないサンパウロは交通情報や地図しかない。
こ・・・この次のページさえあれば。。。
と、非常に悔しい思いでひたすら座って考えた。

売店 悲しい時でも喉は渇く。
 黄色いテントは怖いので
 売店で飲み物を買い、
 再度ベンチに腰をかけた。

 街をフラフラ歩くのも怖いけど
 こんな所で座り込むのも怖い。
 すごいビルも人ごみも疲れた。
 どうにかしなければ。

と、さっき売店で飲み物を買った時に気づいたのだが
ホテルに滞在できるだけの十分なブラジル通貨がない。
もうどうしようもないじゃないかと途方に暮れ始めた時にひらめいた。

高額の支払いは米ドルで払える。

ああ、もう200ドル出してもホテルに泊まりたい。
米ドルがダメならクレジットカードでもいい。
・・・待てよ。

高額なら米ドル可→高いホテルならOK→観光客相手の中級~高級ホテルは英語が通じる

これしかないと思った。
すっくと立ち上がり、空き缶をゴミ箱に捨てると
いかにも高そうなホテルを近辺で探してみる事にした。
大きな通りの角に超高級とまではいかないが比較的キレイなホテルを発見。
こんなボロボロの格好で入るのは恥ずかしいなと
前を2~3往復ウロウロして躊躇したが、背に腹は変えられない。
だってしんどいのである。
お呼びじゃないわみたいな対応をされてもベッドとお風呂さえ貸してくれればそれでいい。

―こんちはお部屋空いてますか。
フロントには親指のでっかいスリムなおじさんがいた。
―ご予約はされてますでしょうか。
―イエ、してませ・・・え!
驚いた。言ってる事がわかる。
英語がまるで日本語かのように聞こえた一瞬だった。
―料金は1泊175ドルで朝食付きです。
―料金は別に構わないけど4時にここを出るので朝食要りません。
―早いですねーモーニングコールしましょうか。
―いや、明日の朝じゃなくて今日の夕方。
 半日寝たいだけなんですけどお部屋使ってもいいですか。
"no problem"と親指のでっかいおじさんは言った。
―それなら70レアルでいいですよ。
―あのう、それがレアル通貨があんまりないので米ドルで払いたいんですけどぅ・・・
―大丈夫。39ドルです。
そんな安くていいのーと飛び跳ねて喜んだらおじさんも一緒に喜んでくれた。
あの時1ドル115円くらいだったから4500円くらいか。
そんな踊るほど安くはないが清潔なベッドにお湯の出るシャワー、
いい匂いの石鹸と英語の通じるフロントを得られるならこの上なく安い。
例え175ドルだったとしても厭わなかっただろう。
10

10

22:40
Wed
2007

No.0305

好き嫌い

私はこう見えて(見えてないと思うけど・・・)基本的に魚・菜食である。
鶏肉はあれば食べるが豚と牛は他に何もない時以外は食べない。
そんな私におかーしゃんは肉を食べさせようとやっきである。
・・・と、そういうおかーしゃんも実は基本的に肉はあんまり食べない。
ので、我が家で唯一の肉食獣であるpinguがいなくなった今、
食卓に肉は並ぶが殆ど残ってしまうのが現状である。

さて、私の目下の悩みはと言えばハリネズミがご飯を食べない事、
そして生活リズムが違うため、起きているハリにあまり会えない事である。
もらった時に一緒につけてくれたフードは既に底を尽き、
同じフードはずっと品切れ中で買えない。
どうしたものかと悩んでいると、片割れを引き取ってくれた後輩が
フェレットフードの試供品をペット売り場から取ってきてくれた。
帰ってあげてみると驚いたことに食べる食べる。
ので、ハリネズミフードとフェレットフードのミックスをあげることにした。
すると、今度はフェレットフードばかり選って食べ、
ハリネズミフードはまるまる残すようになってしまった。
今日の帰り際、このことを後輩に相談。
うむむと考えた末、後輩は全部粉々にして混ぜたらどうですかと提案。
私は、それはいい考えだ後輩よ。と喜び勇んで帰宅した。
ハリネズミは歯があまり丈夫ではないため、フードは水でふやかすのだ。
粉々にしてふやかしてみようと思ったのである。

ただいまーと自室へ入ると、ハリネズミはなぜか起きていて
牧草で作った寝床、牧草ハウスから出てきていた。
私と目が合うと、"やべっ見つかった"みたいなイヤな顔をした。
私は気にせずにスキンシップを図るべく、フェレットフードを持ってハリに接近。
"おいしいご飯をくれる人"作戦である。
怒って針を立てつつもハリは私の手からフードを食べた。
よし、これを毎日続けていつかきっと針を立てないハリと遊ぶんだ
と拳を握り、いつものミックスをお皿に作って小屋に置いた後
自分もご飯を食べにおかーしゃんのいる1階へと降りた。

我が家の食卓にて。
今日はレタスとマカロニがたっぷり入ったサラダがあった。
大喜びで取り皿に入れようとすると、
中から炒り卵が出てきたもんでぅわいと心が弾んだ。
・・・ら。
確か、昨日の夕飯で手をつけなかった鶏らしきものと
ウインナーも小さく切られて入っている。
そう言えば昨日は鶏とレンコンと茄子の揚げ物だったので
レンコンと茄子のみ頂き、鶏を食べなかったんだった。
いつも夕飯の残りは翌日のおかーしゃんのお昼ごはんなのに。
えぇー丸1日経ってるじゃんかと心の中でぶつくさ言いつつ
ちょっちょっとお箸で除けた。

はっとした。
10

09

20:51
Tue
2007

No.0304

マナウス最後の日

水浴び

イギリス人夫妻とドイツ人のおっさんは3泊4日、私は2泊3日の行程だったので
今日は私だけこの地を去る日である。
みんなに別れを告げ、荷造りをして小さなボートに乗り込んだ。
舟を運転してくれたのは現地民のちっさいおっさん。
出発してしばらく経つと、イギリス人夫妻が泳いでいるのを発見。
大きく大きく手を振った。
イギリス人夫妻も見えなくなると何だか心細くなってきた。

来た時もそうだったが両脇はずっとずっと同じような森が続く。
しかし行きは大きな船の2階で椅子に座り、
写真を撮ったり仲間と話しながら
悠々とやってきたのに今はちっさなボートに
言葉も通じない現地のちいさいおっさんと二人きりである。
写真を撮ろうにも水しぶきが顔にびしびし当たるもんで
フードを頭からかぶって目を細く開けてじっとするしかない。
民家も点々としかなく、すれ違うボートもあまりいない。
この小さいおっさんがもし強盗だったとして
その辺の岸で持ち物を盗られて捨てていかれても
きっと誰も助けてくれないんじゃないか。
というか、誰もどこでいなくなったかなんてわからないんじゃないか。

妙にドキドキしながら水しぶきに打たれること1時間。
舟は船着場に着いた。助かった。
ちっさいおっさんは裸足のまま舟から上がり、
私の荷物を持ってこっちだと指で指し示しながら歩き出す。
何だか森の小人が街にやって来ましたみたいな感じだなと後をついて行った。

森の小人は、停まっている1台の車を見つけると窓をノックした。
中には若い男性が一人、口を開けて寝ていた。
森の小人は車のドアを開けて荷物を乗せると、じゃあこれでと去って行った。

舟から自動車、森の小人から街の殿方になったところで
言葉は相変わらず通じず、殿方の名前が"ダーウィン"という事だけわかった。
道中、何やらよくわからない事を聞かれたが
推測で多分結婚しているのかと聞いているんだろうなと考えつつ
最後までわからないフリをしておいた。
旅をすると大概の人が結婚しているのかと聞くが
外国では既婚者が一人で海外旅行をするのは当たり前なのだろうか。
私にはそういう習慣がないものでその質問にはいつもギモンを覚える。

マナウスの街

彼にはマナウスのアマゾネス劇場の前で降ろしてもらい、お礼を行って別れた。
夜中の0時の飛行機でサンパウロまで帰るので10時頃に空港に行こう。
それまでは街を歩いて観光を・・・
とりあえず空港へのバスが発着するターミナルの位置を確認すべく
地図を片手に歩き出した。

しかし実を言うと、この日は朝から体調が悪かった。
夕方の4時ど言えども暑いので汗を拭き拭き大通を歩くもどうもしんどくていけない。
うんうんと唸りながら広場に着いたら屋台がたくさん並んでいた。
水を買い、人の良さそうなおっさんがいる屋台でタバコを買った。
その辺のベンチに座り込み、しんどいなと水を飲み
タバコの箱を見ると驚いて落としそうになってしまった。

"喫煙は体に悪いですよ"みたいな注意書きの部分なのだが、
ブラジルのタバコは、鼻にチューブを入れてボロボロになった
殿方の写真やネズミとゴキブリの死骸の写真なんかが印刷されている。
しかし、このタバコには文字が書いてあってその文字が何とヒンドゥー語だった。
しかも同じ銘柄でも国によってタールやニコチンの量が微妙に違うのだが
このタバコにはタールの量もニコチンの量も記載されていない。
これは・・・タバコ?
というかここはブラジル?
ドキドキした。
"duty free only"という文字以外は何も読めない。
・・・あ。そうか。ここは免税の町だった。
と、納得するも免税ってそういう意味なのかどうかよくわからない。
これ、ブラジルのタバコじゃないじゃないか。

広場でずっと座ってプルプルとタバコを握り締めるのもアレなので
がんばってバス停まで歩く事にする。
人ごみの中でかばんを抱えて歩く自分はこの中で一番怪しげだと思った。

さて、バス停というかバスターミナルは広場の近くにあったが
バスと人と普通の自動車が縦横無尽に走り回っていて
怖いことこの上なかった。
もしかして場所を間違えたかなとも思ったが改めて探す気力も
英語のできる従業員を探して尋ねる気力もない程に体調不良。
その辺の人がみんな悪者に見えてきて元来た道を引き返せば
迷っていることがバレバレで襲われてしまうわと
いつもなら考えられないくらいにマイナス思考が活発になってきた。
そこで、気分は悪いが広場を一周してまた大通りまで戻る事にした。

大通りに戻ってさっきのベンチから100mくらい離れた別のベンチでまた座り込んだ。
この周辺を離れたら静かでのどかな町並みや
休憩できるホテルもあるだろうがそこまではどうも歩けなさそうだ。
しかし飛行機の時間まであと5時間くらいある。
しかし暑いし体の調子が悪い。どうしよう。

次の瞬間にはタクシーに乗っていた。

空港ならずっと座ってても街中のベンチでいるよりは安全だ。
飲み物も食べ物もあるし、まだ英語が通じやすい。
ヤレヤレと空港のファーストフード店でオレンジジュースを飲んだり
絵葉書を買ったり座りこんで腐ってみたりして長い5時間を過ごす。

空港内は空調がバッチリで涼しいのだが生憎私の体調は絶不調である。
外はとても暑いはずなのに、何だか寒くなってきた。
かと思ったら急に暑くなってきて空港の中に入る。入ると寒いので外に出る。
そんな事を繰り返しているうちに、外にいても寒く感じるようになってきた。
私ってば熱帯の病気にかかったんじゃ・・・なんて心配になったりしていたら
これまた違うらしく、夜が更けていくにつれ何となく元気になってきた。
カフェで何だかわからないが形で適当に選んだ食べ物と
とんでもない量のカフェオレを飲み干すと、いつもの自分に戻っていた。

しかしこの体調で機中泊、明日はサンパウロの観光なんてできるだろうか。
10

08

22:24
Mon
2007

No.0303

25.5cm

10月7日は我が姉、pinguのお誕生日&結婚記念日。
そしてもう過ぎてしまったが9月21日は義兄であるおっさんの誕生日。
秋は何かと物入りである。

いつもは当日までにちゃんとプレゼントを用意していたが
今年はおっさんの誕生日に間に合わなかったので
pinguのプレゼントを渡す時におっさんの分も持って行く事にした。
おかーしゃんになったpinguにはレスポのbabybagを、
おっさんにはpinguの言いつけ通り、靴を探して歩き回った。

色々と吟味の末、買うものが決まったので
お札を握り締めてお店へ入っていくと感じのいい店員さんに声をかけられた。

「レディースもありますのでよかったらサイズ見ますよー。」
「そうですか。じゃあ、この靴の25.5cmを持ってきてください。」

そう言って靴を渡すと店員さんの顔が真顔になり、どこかへ探しに消えた。
と、思ったら10秒後に戻ってきて、

「あ、今別の担当の者が探してますんで少々お待ちくださいねー。」

と、"STAFF ONLY"のドアの向こうへ走って行った。
なんだ、よくわからないのにサイズ見ますとか言ったのかい。。
そんな事を思いつつ他の靴を眺めながら待つこと5分。
遅いなーと店の隅の方を見ると殿方が一人、梯子に登って
アセアセと壁一面に並んで積みあがった靴箱を見ている。
アイツか。

病院行かなきゃなのに急いでくれないかなと気にしつつ待っていると
その殿方はさっきの靴を持って走ってきた。

「すいませーん。これ、24cmか26cmか26.5cmか27cmしかないみたいですが・・・」

が・・・の続きは何なんだ。
しかも「みたいです」ってどういうこと。
ちゃんと探してないみたいな言い方である。
ないなら「ない」と言い切らねば「あるまで探せ」と言うけど私。

「そうですか」と返事をすると、店員は次の一言を待っている様子。
「じゃあ、この色は・・・」なんて聞いてまた10分待たされる程
時間に余裕はないのでじゃあ結構と断って店を出た。

足は25.5cmなんだから他のサイズの在庫を教えてくれた所で
「じゃあ、24cmにします」なんて言うわけがない。
私は25.5cmの靴って言ってるんだから25.5cmの靴を何でも持ってきて
セールスすればいいのに一体この店員さん、売る気あるのか。

2軒目の店ではその靴のその色の25.5cmが5秒で出てきた。
じゃあそれくださいと言うと、店員さんはありがとございまーすと言いながら
ズボッと袋に入れた。

身長152cmの私が25.5cmの靴をご自宅用で買うとお思いか。
しかし包んでくれと言うのも面倒だし時間もないので、
おっさんごめんよと思いながら無言でその袋を下げて店を出た。
10

07

23:52
Sun
2007

No.0302

ジャングルを歩く

ダニや大きなアリがたくさんいるので、ジャングルに入る時は
パンツの裾を靴下の中へ入れるようにとガイドブックに書いてあったので
長い靴下を持って来ようと思っていたのに忘れた。
仕方がないのでスニーカーの中にパンツの裾をねじ込んだ。
雨がよく降るのでレインコートが必要と言われていたのにこれまた忘れた。
仕方がないので濡れても構わないとガイドさんに告げた。

私とイギリス人夫妻は水を買った。
ドイツ人のおっさんに水はいらないのかと聞くと、
ここにたくさん入ってるからいらないよとお腹を叩いた。
・・・らくだ?

いざ、ジャングルトレッキングへ。

数年に1度の
そう言えば帽子も持ってこなかった。
準備するのに結構時間をかけた割に
何にも持ってきてないじゃないか。

そんな事を考えて反省していると
一行の足が止まった。
この花、とても珍しい花で
2~3年に1度しか咲かないらしい。
草むらに入って行って
近くで見てもいいかと聞くと
全然構わないと言われた。
一同、そろそろと花へ近づく。
40cmくらいの高さがある
とても大きくてきれいな花だった。

暑いのは暑いが、鬱蒼と茂る木々のお陰であまり日の光は当たらず
帽子はなくても大丈夫そうだと感じた。
イギリス人夫妻のご主人殿はつるっぱげなのに帽子かぶってないし。
ただ、虫はたくさんいるので虫除けスプレーは空になった。

橋
 これは橋です。
 ガイドさんは言った。
 橋・・・ってロープやないですか。
 私は聞き返した。

 しかも高さは1mちょっとくらいで
 下に川があるわけでもないのに
 わざわざ揺れながら
 これを渡る必要はあるのだろうか。
 まあ、この落ち葉の上を踏みしめて
 ダニに噛まれる事を思えば
 こっちの方がいいのかなと考えながら
 ユサユサと橋とやらを渡った。

いつものメンバー+ジャングルに精通しているという殿方が今回のメンバーである。
ガイドさん曰く、この殿方がいないとジャングルは歩けないのだそうだ。
名前は忘れたので仮にジャングルの君としよう。
このジャングルの君は、ジャングルの植物や動物のこともよく知っていた。
ただ、ポルトガル語しか話せないので我々とはまったく喋らない。

アリの巣
私はとっても動物好きだが
それは獣に限る。
虫や爬虫類はどうも苦手である。
魚もあまり得意ではない。

ただ、ジャングルでは
哺乳類は殆ど見られないため、
今回のこのツアーは
怖いながらもこんなアリの巣を
しげしげと見つめる機会となった。

小さなアリがびっしり這う木の根元や
葉っぱの裏に敷き詰められたアリなど
アリは本当にたくさんいた。

一番驚いたのは、ガイドさんがとある植物に生っている10cmくらいの実を
見ててねと割ったら中は空洞でアリがたくさん住んでいた事である。
呆然と見ている私にガイドさんは、
「アパートメント!」
と言って笑いながら歩いていった。

タランチュラの巣 私はクモも苦手である。
 でも、折角ここまで来たのに
 苦手だ嫌いだなど言ってては
 何も見るものがない。

 タランチュラの巣は
 私が"く"の字になったのと
 同じくらいの大きさだった。
 側面には子供達が無数にいて
 走り回って遊んで(?)いる。

イヤだと再三辞退したにも関わらず、ガイドさんに触れと言われて
タランチュラの巣に指を引っ掛けてみた。
どんなに引っ張っても切れない巣に感動を覚える。
でもやっぱりクモは苦手だ。

タランチュラの巣は道すがら、点々と見られたのだがどうも主はいない。
親玉は隠れてて普段は見れないものなのかと思っていたら。

タランチュラ
木の根元に開いている穴を
ジャングルの君が木の棒で
ぐりぐりとほじりだした。
モグラでも出てくるのかと
思いながら見ていると
クモが出てきた。

いやーと言いながらもみんなと同じように近寄って写真を撮る。
しかし怖さのあまり手が震え、10枚くらい撮ったのに
ちゃんと撮れていたのはこの1枚だけだった。

タランチュラはとてもシャイらしく、ほじれば驚いて出てくるが
わたわたと慌ててその辺を歩き回ると、すぐに元の穴の中へと帰ってしまう。
鳥肌を立てながらもワクワクと複雑な思いでそんなタランチュラを眺めた。

木を叩くと・・・
 側面が平たく、
 真ん中が凹んでいるこの木は
 叩くと遠くまで音が響く。
 昔の人はこれで自分の位置を
 他の仲間に知らせていたらしい。
 日本でもそういうの、
 聞いた事があるなと思った。

 ケータイより役に立ちそうですね。
 と、ガイドさんに言っておいた。

ジャングルトレッキングから帰って一休みした後は夕飯の時間である。
ハエやアブがブイブイ集っているフルーツの中から
特に何も思わずパイナップルを取って食べてみた。
何だか自分がちょっと強くなった気がした。

おかーしゃん、私は虫を克服しました。
と、言いたいところだがそれは気のせいである。
先日、玄関のドアを開けたら降ってきた大きなゴキブリに向かって
ちゃんと立派にうがーと大声で叫んだのだから。
10

06

22:19
Sat
2007

No.0301

ハリの旅

相方が去って行った日の夜、我が家のハリネズミはご飯を食べなかった。
大変心を痛めて心配していた所、翌日の晩はモリモリ食べた。
やれやれと胸をなでおろしていると、何とその翌日に失踪してしまった。

ケージが開いた形跡はなく、ケージの隙間をすり抜けるにしても
ハリネズミには細すぎるのでどうやって外に出たのかはわからないが
とにかく忽然といなくなってしまったのだ。
家中を捜索するも見つからず、もしかして相方に会いに行ったのか?
いやいや遠すぎるだろうと一人でブツブツ言いながら
家中のタンスを動かしたり服を全部ひっくり返したりして
腰はめっきり痛くなり、部屋の中はまるで空き巣に入られたかのようになった。

失踪して2日目。
やっぱり見つからないので保健所に電話をした。
保健所のお兄さんは、一応警察にも届けておくようにと言った。

けーさつ。。。
以前、酔っ払ってその辺にうち捨てて帰ったバッグを取りに行った時に
対応してくれたおまわりさんがとても怖かった記憶があり、
おまわりさんが苦手な私はとてもビビってしまった。
たまたま電話をかけてきた友人に、
逃がすくらいなら飼うなと怒られたらどうするんだと相談すると
故意に逃がすくらいなら届けねーよと言え、と励まされた。
ちょっと勇気が出た。

電話は怖いので病院へ行く途中、近所の交番へ寄ることにする。
座っているじーさんにこれこれしかじかと話していると
奥から若いおまわりさんが出てきて、私がやりますと名乗りをあげた。

―いつ居なくなりましたか。
―えとえと、2日前です。

―大きさは。
―15cmくらいでしょうか。

―色は。
―茶色と白のまだらっぽいハリにお腹や顔は白です。

―名前は。
―ありません。我が家に来たばっかなので仮にあった所で呼んでも寄って来ないです。

―帰巣本能はありますか。
―ないと思いますが夜にご飯を求めて結構な距離を移動する性質があります。
 ・・・と言うか、先ほども申しましたが我が家へは来たばっかりなので
 もし自ら家へ帰るとしたら以前の家へと走っていくと思いますが。
―・・・おっしゃる通りです。

―金額はいくらくらいの動物なんですか。
―もらったのでお金は出してませんが命に値段はありません。
―む、愚問でしたすいません。

―触れますか。
―お腹はハリがないのでだいじょぶですが怒って丸くなるので
 素手では触れないと思います。

―・・・ハリつきですか。
―ハイ。

おまわりさんは届出書に「ハリつき」と書いた。
見つかったら電話をするが見つからなかったら連絡しませんと言って
おまわりさんは立ち上がった。

失踪して3日目。
悶々と仕事をしていると、会社の上司が
ばばる殿にご家族の方から電話だよと取り次いできた。
モシモシと電話に出ると、涙声になっているおかーしゃん。
一体何があったんだと問うと、ハリが居たとのこと。
見つかった感動で泣いているのかと思いきや、話を聞くとそうではなく、
ハリはタオルの詰まった棚の中で眠っているが
怖くて触れないので今すぐ帰って来いとのこと。
怖くて泣いているのか。それでも私のおかーしゃんか。

・・・仕事中なので後で電話します。

と言って電話を切った。
今月からわが社の電話は録音電話になっている事を
おかーしゃんはまだ知らない。

かくしてハリネズミは無事に戻ってきた。
今はケージの中でご飯を食べたり歩き回ったりお尻を掻いたりしている。

おまわりさんへは捜索願(遺失物届けとも言う)を取り下げに行った。
先日のおまわりさんよりもう一段と若いおまわりさんが座っていて
カラカラとドアを開けると、椅子が倒れる程の勢いで立ち上がり、
「事故ですか!!!」と叫んだ。
いえ、ハリがいましたものでその連絡に来ましたとビビりながら言うと、
そりゃあよかったと言いながらまたメモを取る。

―どこに居ましたか。
―タオルの中で眠っておりました。

―えっとそれで・・・生存は。。。
―お腹が空いているようでしたが元気です。

名前と住所と電話番号と生年月日を告げ、お礼を言って帰ろうとすると
おまわりさんは大事に飼ってあげてくださいねと手を振っていた。
10

01

21:45
Mon
2007

No.0300

アマゾンの動物達

船で周辺探検
午前中は船で周辺の川を散策し、
小さな村を訪れて過ごした。
昼食の後はいよいよ
アマゾンのジャングルトレッキングへ
繰り出すのであるが、
このツアー、とても時間配分がゆったりで
ご飯を食べ終わっても
次のアクティビティが始まるまで
お昼寝できるくらいの時間がある。

ロッジに吊るされている
ハンモックに横たわってうとうとしていると
ガイドさんがやって来た。

こんちはと言うと、ガイドさんは通りすがりではなく私を呼びに来たとのこと。
何か用ですかと聞くと、サルが近くまで降りてきていて
とても珍しいので私を呼びに来たのだと言った。
アマゾンでは、哺乳類はいることはいるがなかなか見られないらしいので、
それはぜひとも見たいと急いでゾウリを履いてガイドさんの後ろをついて行った。

ナルホド、サルはいた。
首の周りに白い毛がフサフサと生えたかわいらしいサルが
木の上を飛び回っていた。
早く写真を撮れ撮れとガイドさんに急かされるので
とりあえずカメラを向けたが・・・遠い。
こんなの写らないよーと心の中で思いつつも撮るフリをした。
なぜならガイドさんは英語が苦手だからと私をとてもヒイキにしてくれていて
こうやってサルがいるとわざわざ教えに来てくれたのに
遠すぎて撮れませんなんてとてもじゃないが言えなかったからである。
昨日の晩は晩で、TVでフットボールの試合やってるから
ばばるには特別に見せてあげると誘われるも
フットボール興味ないしポルトガル語わかんないからいいとニベもなく断ったのだ。

ビレッジ散策


 バッチリ撮れたと思って
 嬉しそうなガイドさんに
 わざわざ呼びに来てくれて
 いいものを見せてくれて
 どうもありがとうとお礼を言い、
 再び昼寝をしにロッジへ戻る。

 道中、私の前をタタタッと
 横切るものがあった。

前半分が緑色で後ろ半分が赤い色の20cmほどのきれいなトカゲだった。
ヘビワニトカゲカメは虫と同じくらい苦手な生き物なのだが
あまりにも鮮やかでキレイなので思わず追いかけてしまった。
ガイドさんは全身が真緑のもっとデカイのとかもいるよと教えてくれた。
イグアスの滝では60cmくらいの巨大なトカゲを見かけたが
色が茶色でとてもグロテスクだったので見ないフリをしたのに。
去年行ったタイでも30cmくらいのでっかいトカゲはいたが
やっぱりグロテスクでこんなキレイじゃなかったのに。
いいものを見たとウキウキしながらロッジへ戻る。

ロッジの前にて
動きまわった上に日差しが強く、
暑くなってきたので
シャワーを浴びることにした。
しかしここはお湯が出ない。
ただ、私はお湯が出なくても
水の出が悪くチョロチョロでも
一向に気にならない。
例え下が泥や土でも
水垢でヌルっとしたコンクリートでも
サンダルを履いてればへっちゃらだ。
それは、今まで参加してきた
サファリやトレッキングツアーで
鍛えられている所以である。

お風呂を終えてさっぱりした後、再びハンモックで横になる。
本を読みながらゆらゆらと揺れていると
トントンとドアをノックするような音が聞こえてきた。
しばらく聞いているとトトトトトトトト・・・・と、激しくなったりもする。

キツツキ
 本から顔を上げ、
 ロッジの前の木々を眺めていると
 すぐ傍の木に動くものがあった。
 キキキ・・・キツツキだ!
 とても小さなキツツキが
 目の前の木を叩いていた。

かわいいなあと眺めていると、遠くの木には大きなキツツキが
後から後からやってきて、みんな必死に木を叩いている。
思わず立ち上がり、口を開けて見ているとイギリス人夫妻がやって来た。
"ばばーr、何やってんの。"
"うっどぺっかーがいるのです。ホラ、あそこ。"
しばらく3人で見ているとドイツ人のおっさんも加わった。
4人になり、みんなで見上げていると別のグループの人もやって来た。
どこにいても人は人の視線の先が気になるものらしい。
イギリス人の奥様にどうやって見つけたんだと聞かれたので、
いやまあ、そこにいましたと答える。

とりあえず時間が来たので私は一旦部屋へ入って着替えをした。
みんなで集合場所へとぞろぞろ歩きながら、
"ガイドさんに教えてもらって先ほどサルを見ました。
その後、赤と緑のキレイなトカゲを見ました。"
という話をすると、イギリス人夫妻はわーおと感嘆の声を上げながら
自分達も見たいので、今後ばばーrと行動を共にしたいと言った。
その足元を、灰色の小さなトカゲが横切っていった。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。