続続・よいこの1日  -

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No.0

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25

22:46
Sun
2007

No.0327

誘拐

同じ場所へ行くならば経路を変える。
これが最近の私の楽しみ方である。
いつもはばばる県を縁取るように走って向かう県南へ、
今日はやや中側を通り、サルだのシカだのを眺めながら峠を越えて向かった。
行き先は3度目の正直、かばんの中身をぶちまけたあのヲーターフォール。

道の駅でトイレへ行ったり途中で車を停めて紅葉を眺めたり窓を開けて走ってみたり。
思えば車のドア或いは窓をよく開けた。
いや、目的地に大量にいたからあそこの駐車場かもしれない。
とにかく帰りの山道でお客様が乗っていることに気づいた。

今回の峠、県南側は割りとちゃんとした道だった。
しかし県中側は、道自体は悪くないものの細い上にガードレールがない。
紅葉が美しいのは県中側なのによそ見できないという悩ましい道だったのである。
私がお客様に気づいたのはその県中側の山道を半分くらい過ぎた辺りだった。

微妙な季節の県南は市内よりも2度ほど気温が高く20度。
しかし峠道は若干高度があり木々のお陰で日光も当たらず、
上りきって下りに入る時の気温は10度を切っていた。
県南仕様の服を着ていたため、さぶいさぶいと窓を閉めると
左目の端で、窓にホクロのような黒いものが引っ付いているのを発見。
ちらりと目をやると、ハエだった。

窓の外にとまってるのかねと思った1秒後、自分をバカだと思った。
念のためもう一度チラ見すると、やはり車の中にいる。
私、虫はどうも苦手なもんでどうにかして外に出したい。

とりあえず窓を開けてみた。
動じないハエがそこにいる。
ちょっと考えてから窓を全開にした。
足場を失ったハエは窓の溝にはまってじっとしている。
しばらくそのまま走ってみたが動かず、こちらも寒いので諦めて窓を閉めた。
ハエはガラスに戻った。

いやーな気分になったが山道に集中していると、
彼(彼女?)から意識が逸れた一瞬の隙にハエが消えてしまった。
ドキドキしながらハンドルを握り締める。
次の瞬間、ハエは私の右上辺りにいた。驚いた。
わっっと言うと、向こうもわっっと言いながら飛び、
今度は右側の窓に張り付いた。近い近い近いってば。
しかも窓ガラスを歩くもんで怖くなって硬直しつつ峠を下りた。

大分長い間、このハエと仲良しこよしのドライブを続けたと思う。
トンネルだって共にくぐった。小さな橋も一緒に渡った。
だからと言って別に愛着が湧いたわけではないけれども
この県南から連れてきた(と思われる)ハエをここで外に出したら
この後どうやって生きていくのだろうと思った。
もし、かのんやうさぎやハリがある日突然県南で放置されたら
間違いなく自力では帰って来れまい。
私は必死で捜索するだろうが見つけられる自信はない。
もし、私がある日突然県南で放置されたら・・・間違いなく自力で帰って来る。
いやいや、この小さなハエが車で2時間も離れた場所に連れてこられたということは
私にしてみれば日本の端っことかの勢いか地球の裏側・・・まではいかないか。
どっちにしても私ならば自力で帰って来る。
が、このハエは。

ハエにしてみれば他所に連れてこられたという認識もないかもしれない。
県南とこの山道では10度も気温が違うのにそれでも同じだろうか。
・・・同じだろう。食べ物さえあれば。
むしろこのハエは県南産のハエではないかもしれない。
確かにあの場所ではハエが至るところで無数に飛んでいたが
このハエはそもそも誰かが自宅のハエを知らず知らずに車で県南へ連れて行ったハエで、
そのハエをまた私がこの県中へ連れてきたということだってあり得る。
考えれば考えるほど難しくなってきた。

そうこうするうちにハエがまたトコトコと歩き出したので
恐れをなした私は急いで窓を開ける。
ハエは、今度は下がる窓にあわせて上へ上へと登り、立派に外へと飛び立った。

群れていた仲間もおらず、未踏の地であのハエは
これからどうするつもりだろうか。
いや、多分何も考えてないだろうとは思うが。

ハエが去った後、家までの1時間弱を私は
もと来た道を引き返してハエを県南のヲーターフォールがある山まで
送り届けている自分を想像することに費やした。
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22

23:57
Thu
2007

No.0326

give&take

どんなお客様に対しても感じよく丁寧に対応するのは当然の事だが、
どんなお客様に対しても"良くする"わけではないのも当然である。

スーツを買うならここ、ジーパンはここ、下着はここ、お酒を飲むのはここ・・・
という具合に、時々浮気はするものの私は大概決まった店を使う。
先日、会社の人からいいお店を紹介してくれと言われて
じゃあこれこれこのお店と紹介するも後日、
「こないだセールやってたから覗いたけど相手にされなかったわ最低の店だわ」
と、文句を言われてしまった。
あ、そう相性悪くてそりゃ残念と返すが当然じゃんと心の中では思う。
定価の商品も買う私とセール品ばかり買う客が同じ待遇ならば
私だって迷わずセール品しか買わない客になるだろう。
定期的に通って買う客とセールの時にふらりと入ってきて
次回来るか来ないかわからない客が同じ待遇ならば
私は一つの店を懇意にしたりはしない。

私の持論としては、初めて入る店にお客様ぶって入ってはいけない。
発売前の商品資料をこっそり見せてもらったり新商品の入荷前に
在庫をさばく対象にされないようにするためには
客として自分が選んだ店からお客様として選んでもらわねばならない。
紹介した店の店員側からすると、お客様としての株があがるのは
店の客を増やして売上に貢献した私であり、紹介された知人が
紹介されたことによって一気に上客になるわけではない。
また、私が「良い」と言っているのは店の商品であって店員からの待遇ではないので
「店員が相手にしてくれないから最低の店」と言われるのは心外である。
私が懇意にしている店は良い商品を置いているから懇意にしているのである。

ただし、〇ッテリアは違う。
その時に欲しいものを手早く用意してくれる迅速さと
お手軽さがあれば特別さは要求しない。
よってメガネの「いつものですか」は断固として拒否する。
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21

23:21
Wed
2007

No.0325

急襲

14時を過ぎたあたりだろうか。
大変な胃痛に襲われた。
苦しみながら仕事をしていると後輩が

お腹が空いたのでケーキ買ってきます。

と言って出て行った。
15時のおやつにケーキを振舞ってくれるとのこと。
こんな珍事は1年に1度あるかないかのことなのに
ばばる社で一、二を争うスウィーツ好きの私なのに
不覚にもケーキを食べることができなかった。

涙を呑んで仕事を続ける16時、見かねたK殿が
ちょっと更衣室で寝ておいでと私の仕事を取り上げた。
イエ、K殿。仕事は5時過ぎまでなので今さら更衣室で寝るくらいならば
ワタクシ帰らせていただきますと仕事を取り返す。
じゃあ早めに帰らせてもらいなさいよと言われたが
業務終了まであと半時間なのでと断った。
というか動きたくなかっただけなのだが。

コピー機に寄り添って佇んでいると、別の課の次長が通りがかり様に言った。
お、ばばる君。滝へ行くのは来週だったかね。
イエ、ジチョー。結婚式の翌日どうしても休みたいので滝見は断ることにしました。
そう答えると、そうかよかったと嬉しそうに去って行った。
その様子を見ていたK殿は、
ばばるさんかわいそうに。先生に断る文句を考えて胃痛を起こしたのねと
哀れみの目で私を見ながら肩を叩いた。
そうなんですよと言いたいところだが、あいにくそんな繊細な心は持ってない。
イエそういうワケじゃあ・・・と言いながらもこの胃痛の本当の理由は言わなかった。
少食のばばるさんに限って食べすぎなんかまずないだろうし不思議ねー
と囁くオツボネ様の声が聞こえる。

言えなかった胃痛の理由、それはイカである。
どうも私はサキイカと相性が悪いらしく、食べるとこうやって胃痛を起こす。
お昼休みにオツボネ様が食後のおやつに食べていたサキイカを
勧められるがままにどうもどうもと7~8片ほどつまんだところ、、、
こうなった。
しかし、私よりもたくさんのイカを食べていたオツボネ様を前にして
「イカの食べ過ぎで胃が痛い」とはどうも言えず、
残りの30分をこうやって苦しんでいるわけなのである。

バス停から家までの道のりを歩ける自信がなかったので
今日はおかーしゃんをチャーターして帰宅。
おかーしゃんにだけはこっそりとイカを食べ過ぎましたと報告した。
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20

23:04
Tue
2007

No.0324

天秤

勤怠簿をくださいと庶務へ行った。
あれあればばるさんお休みするのですかと庶務の方が言った。

我が社ではお休みを取る場合、1週間前に支店長に申し出て
認可を得なければならないことになっている。
別にダメとか言われるわけではないけれども緊張の一瞬である。
私の会社では6月~9月の間に夏休みとして5日間、10月~12月の間に1日、
1月~3月の間に3日間の冬休みをくれる。
1年に何度もひどい風邪をひかない限り、有給は消化しきれないが
とりあえず決められたこれ以外の休暇はまず取れないのが我がばばる社である。
そして10月~12月の間の1日休みを来週の今日、取るわけなのだが。

今回のお休みはいつものようにカレンダーとにらめっこして決めたわけではない。
通常ならば水曜日か月曜日に持ってきたいお休みをなぜ火曜にしたのかと言うと、
実は1ヶ月ほど前に整骨院の院長先生に山へ連れてってくれと頼まれたから。
整骨院は火曜が休診日なので1日年休をそれに充てたわけである。

紅葉が見ごろなのでまあいいやと安請け合いしてしまったが
勤怠簿を前にボールペンを握ると、手が止まった。

これには理由がある。
まず、理由欄に「私用」と書くのが嫌なこと。
もう一つの理由は、12月に友人の結婚式で神戸へ行かねばならないからだ。
結婚式が日曜のため月曜に休みを取らねば、せっかく出席しても
2次会の終わるか終わらないかくらいで退席し、最終のバスで戻らねばならない。
忙しなく2次会を途中で退席する割にはばばる県へ着くのは夜中であり、
翌週の仕事がとてもしんどいのは必至だ。

ボールペンが11/27という日付を書くことをどうしても拒むので
休憩しながら考えようと席を立った。

12月に休むためには来週仕事に来なければならない。
そうすると院長先生に行けなくなったと断らねばならない。
12月のだるいであろう1週間を私が我慢すれば言いにくい断り文句を考えなくてもいい。
それにどちらの約束が先かと言えば先生の方が先である。

うーんと考えた末に意を決して勤怠簿を掴み、階段を駆け下りた。

庶務の方、ワタクシ休むのやめます。

先生ごめんと心の中で呟きながら勤怠簿を返却した。
明日は断りの文句を告げに病院へ行かねばならない。
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14

22:24
Wed
2007

No.0323

1.5

ハリネズミはとても繊細な動物である。
アレルギーが出る恐れがあるため、ケージに敷くおが屑は
針葉樹ではなく広葉樹のものを使わねばならないらしい。

この広葉樹のおが屑、たかが木屑ではあるがなかなか売っていない。
その辺で売らているのは全てパインチップかスギなのである。
500円にも満たないこのたかが木屑のために送料500円を払って
愛するハリのためにネットショッピングをしていた私だが、
最近、会社のご近所であるデパートの屋上ペット売り場にて
この広葉樹製おが屑が売られているのを発見した。
値段は1.5割増しだが送料を考えるともちろんデパートが安いし
すぐに手に入るお手軽さが嬉しい。
今日も財布を握り締めて屋上へと向かった。

そうだうさぎの齧り木も切れてたんだった。
と思い出し、うさぎのお気に入りである"齧り木コーン"を手に取った。
レジに持って行き勘定を済ませてレシートを見ると、

・・・1.5割増しだ。

ネットショップのおが屑が安いのはネットだからだと思っていたが
"齧り木コーン"も見事に1.5割増しの値段だった。
我が家のうさぎはとても勤勉なので、齧り木は2~3日もあれば
殆ど完璧におが屑になってしまう。
だからたった1.5割高いだけと言えどもこれは結構な衝撃である。
同じ齧り木だがいつもより高級な齧り木を両手に握り、
帰ったらうさぎに、「大事に使うように」と言って聞かせねばと思った。

会社へ戻り、更衣室で紅茶を飲む間もずっと1.5の事を考えていた。
なかなかトイレを覚えてくれないハリのケージを清潔に保つため
こまめに汚れたおが屑を取り除く毎日なので、
1.5割増しのおが屑だってなくなるのは早い。
子沢山の家庭をやりくりするシングルマザーは大変なのである。
ああ、次はネットで業務用20kg入りを買おう。
そう決意した時にふと名案が浮かんだ。

うさぎは自らの仕事にやりがいを感じながら毎日勤勉におが屑作りに勤しんでいる。
しかしながらせっかく作ったおが屑はうさぎのトイレ砂と一緒に
燃えるゴミとして出されるだけである。
勤勉で几帳面なうさぎの作ったおが屑は大変細かく、それは素晴らしいおが屑だ。
→ハリネズミの敷材に使えないかなー・・・

ぶんぶんと首を振って考え直す。
うさぎの口臭つきのおが屑なんて部屋に入れられたら
ハリのストレスは針葉樹だの広葉樹だのの域を超えるだろう。

いや待てよ。
消臭スプレー振って干してみたら・・・

ぶんぶんとまた首を振る。
完璧にニオイが消える保障はない上に手間がかかる。
やっぱり業務用が最善策だ。

おが屑の中で暮らすハリとおが屑を作ることに喜びを感じるうさぎ。
この2匹が共存できさえすれば我が家と私の財布は
今よりもっと素晴らしい楽園になる事であろう。
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06

23:23
Tue
2007

No.0322

やめる

契約社員の殿方が一人、辞めるらしい。
数少ない同年代の一人だったのに誠に残念である。

ところで、私は今まで色んな事をしてきたが
自らの意志で「もういやだ」と言ってやめた記憶が殆どない。
私の中で何かを「やめる」ということはとても重大なことである。
と、水泳だけはイヤでやめたのだった。
よっぽどイヤだったのだろう。そして私は未だにカナヅチである。

合唱団は一区切りついてとりあえず名目上は卒団した。
卓球は足を悪くしたため続けられなくなった。
小学校の頃にやっていたパーカッションは中学に上がってしばらく経った時に
人員不足で困っていた先生を助けるためにトロンボーンへと転向した。
そのトロンボーンは中学とともに卒業した。
ピアノは続けたいと言ったが受験勉強をしなさいと言われ、泣く泣くやめた。
音楽は、嫌いだったわけではない。
英会話もピアノと同じ理由でやめさせられた。

高校に入って始めたアルバイト。
ウエイトレスは任期満了のため終了した。
小料理屋は大学進学直前まで働き、県外へ出るためやめた。
大学時代のアルバイトも卒業式前日まで働き、故郷へ帰るためにやめた。
ボランティアも、帰省するため出席率こそ人より悪かったものの
できる限りの上山(じょうざん、と言う)をし、最後まで在籍した。

一度だけ、親に大学をやめて帰ってきなさいと言われた事がある。
ピアノも英会話もやめなさいと言われて素直にやめたが
大学なんかハイハイとやめられるわけがなく
結局、自分で学費を出しますからもう結構と言ってこれだけはやめるのを断った。

パーカッションもトロンボーンもピアノも英会話もバイトも学校も
好きで始めたわけだが楽しかったばかりではない。
続けるのはとても大変で面倒である。
友人と遊びたい時間は全て部活動や習い事やバイトで終り、土日もない。
当時の自分が思っていたのは通うのがイヤでイヤで仕方なかったという事である。

こんな私の親しい友人は全く反対の性質を持っており、
イヤになったらその日のうちにもうやめますとあっさりしている。
イヤだイヤだと言いながら通い続ける私は、友人や当時の彼殿にいつも
「そんなにイヤならばやめればよござんす」と言われてたものだ。
しかし、私は「イヤだから」という理由ではやめられない性分である。
「行くのはイヤだけれどもやめる理由がないわ」と悶々しながら
バイトだのボランティアだの習い事だのに出かけて行った。
私が何かをやめるのに「イヤ」は理由にはならなかった。

そして今、私はとても会社がイヤである。
カレンダーを繰っては5年先の祝日にまで思いを馳せる程にイヤである。
歳近い先輩や同僚が殆どいないのもわかる気がする。
私が入社してからもみんな「イヤ」だと言いながら辞めていったのだ。
そしてこの度、また一人去るという。

イヤでイヤでたまらないこの会社をやめる理由が将来あるとすれば
コトブキ退社か健康上の理由のどちらかだと思われる。
今の所、その両方ともやってくる兆しは全くない。
いや、コトブキの場合は辞めない可能性だってあり得る。
始めてしまった事に対する執着心を持ち続ける限り
私は今の会社を辞めないだろう。
いつの日か、オツボネ様になっておやつを食べながら
アサッテな相談をしている自分を想像すると
「もうだるいし俺、辞めるっす」
と、事も無げに言ってのけるあの殿方がとても羨ましい。
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05

23:26
Mon
2007

No.0321

それぞれ

雨のためあまり人の来なかった整骨院では
年末でもないのに床をワックスがけするぞと先生達が意気込んでいる。
腰に電気をあてながら、そんな先生たちの掃除姿を眺めた。

ワックスがけの前に、黒ずんだ床をスポンジで擦る新米先生は
院長先生が「この線まで」と言うと、ピッチリその線まで磨く。
院長先生が「やっぱこの辺まで」と言うと、ピッチリその辺まで
実に忠実に言いつけを守って美しく磨き上げていくのである。
しかし、院長先生の「このブツブツもとってね」という一言には
「イエ、それはこの範囲の汚れをある程度とった後で集中的にやろうと思ってますので」
とキッパリ言い返し、
「別に床にお尻つけて拭いてもいいですよ」という院長先生の言葉にも
「イエ、お尻をつけてしまっては機敏に移動ができませんから」
とまたもやキッパリ言い返す。
「そ・・・そう。いいんですよ。やり方はあなたに任せますから」
と、院長先生がたじろぐ程の意志の強さを見せて。
ああ、私だったら「その辺」のちょっと奥まで磨くだろう。
だって磨いてるうちに「その辺」がどの辺か忘れてしまうだろうから。

同じくワックスがけの前に、黒ずんだ床をスポンジで擦る中堅先生は
「まだやってないその線からそっちをやってね」という院長先生の
「その線からそっち」がどっちだかわからない。
こっちですかあっちですかと指差しては聞き返す。
院長先生は私の腰をぐりぐりしながら右とかあっちとか言ってみるが一向に伝わらない。
遂に院長先生の手が止まった。
「そこ」、と私のお尻の上に片手を置いたままもう片方の手で床を指差した。
心の広い院長先生だから心配ないが、もし彼が私のような短気な人間だったら
きっと私のこの尻は叩かれているに違いない、そう思った。

5cm幅くらいの線と線の間をスポンジで磨き始めた中堅先生のつむじが
「ボク、お掃除なんてしたことないしー」と言ってるように見える。
と、彼の視線が5cm幅から反れた。視線の先には汚れ。
中堅先生はその汚れを無心にスポンジで擦りはじめる。
汚れは確かに落ちたが当然の事ながら擦った場所だけがやけにキレイになってしまった。
「せんせ、そこだけくっきりキレイだけどその次の線まで同じように磨くの?次の線は遠いですよー」
わくわくしながら聞いてみた。
「当ったり前やないか。俺はびっくりするくらい掃除するんやで。車だって禁煙車だし」
・・・禁煙車?喫煙者が自分の車を禁煙車にするなら自慢するのもわかるが。
言いたいことがイマイチ掴めないのでその返答は放置した。
しかし、鼻息荒く「当ったり前やないか」と言いつつも
「ダメダメ。そこだけそんなにキレイになっちゃって。他の場所も同じ色にしてね」
という院長先生のダメ出しには
「は。そうですねすいません。今からこの機械でピカピカにしますので・・・」
と、スチームの出るゴツい機械を出しながら小さくなっている。
見ていると何だかかわいそうになってきた。

人があまり来なかった今日の院長先生は、どうも物足りないのか
いつもより長いマッサージをしながら2人の先生に磨く場所を指示している。
「この線からこっち」とか「この影になってるところまで」とか
結構細かい事を言う割には、机や棚の下は磨かなくていいと適当な所もある。
そして嬉しそうに、
「来年はこのブラインドをここからここまで全部磨くぞ」
と、新米先生に話していた。

来年・・・とは年明け?だとしたら年末にすればと言いたくなる。
来年・・・の年末?だとしたら妙に気の長い話である。
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04

23:59
Sun
2007

No.0319

チームプラス6%

私が勤務する会社では定期的に色んな会議が行われる。
金曜日の会議は企画会議。
この会議で何が決まったのかと言うと
お客様にお渡しするパンフレットが入ったキットを手提げ袋に変えよう
という事である。

このキット、現在は大きな封筒に入っているのだが
全支店で統一されたデザインであるため、うちの支店だけ好きに変更はできない。
でっかい封筒か、厚紙で作られたタトウ(フォルダー)の2パターンがあり
どちらかに必ず必ず入れなければならないのだ。
よって変更できるとすれば、タトウにする以外、選択肢はない。

しかしこの手提げ袋に入れよう案は、
持ち手がなければお客様が持ち難かろうという声から出たものなので
持ち手のないタトウへ変更する意味はない。
むしろ、コストが3倍以上かかるだけである。

支店長は、「コストはいくらかかってもいいから手提げ袋なのだ」と
大ハリキリの様子だったらしく、何が何でも手提げ袋を採用せねばならなくなった。

と、会議はここまででこの問題の続きをするのは我々、事務職員。
封筒はでっかすぎてビニールの手提げ袋には入らない。
かと言って紙袋にすると今度は紙袋が大きすぎる。
しかしコストはいくらかかってもいいとのお達しだったので、
封筒からタトウに代えてビニールの手提げ袋に入れるという案でまとまった。

オツボネ事務職員たちがおやつを食べながらそんな相談をしている中、
私はこのワケのわからない案件をどうにかやめにしたいと考えていた。
だってスーパーでもエコバッグを持って買い物をするこのご時世に
タトウだけでも1部100円以上するキットを
これまたビニール袋に入れるだなんて時代に逆行している。

今年の夏からはじまったクールビズだって、チームマイナス6%だなんだと
ジャケット脱いだりネクタイ取ったりしつつもクーラーはガンガンだった。
おかげでこの夏、とっても寒かった私は腰も足もめっきり痛い。

煮詰まったコーヒーをすすりながら、
"封筒を全店的に手提げ付きのものにリニューアルして欲しいと本部に提案する"
という案に心の中で密かに1票投じておいた。
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01

23:38
Thu
2007

No.0317

信条

突然だが、私は靴下が嫌いである。
もちろんストッキングだってできることなら履きたくない。
しかしスーツに生肌が当たるのはもっとイヤなので
スーツの時にはビッチリとお腹まであるストッキングを履く。
パンツの上からストッキングが出るのがイヤとか言って
ふくらはぎ丈や足首丈のストッキングを履く人は
そのスーツを毎日クリーニングに出すという人以外許さない。

突然だが、私はシャツの上にニットみたいな重ね着が苦手である。
何枚も服を着るのは面倒だし何枚も脱ぐのも面倒だからだ。
だからと言って、重ね着風カットソーは絶対に着ない。
重ね着したいけど着膨れするから・・・
とか
重ね着したいけど組み合わせを考えるのが面倒だから・・・
なんてのがどうも理解できないのである。
重ね着したいという信念を持って自らを調節するならまだしも
何もせずにただスッキリ見せたいとか
何も考えずに2枚の組み合わせをしているように見せたいとか
そういうお手軽感がどうもイヤなのである。
2枚重ねて膨れるのがイヤなら1枚でいいじゃないか。
2枚重ねたいのにその2枚を考えるのがイヤなら1枚でいいじゃないか。
ただ、寒い冬の日に防寒としてセーターをかぶるのはこれとは別問題である。

身に纏うものは好きじゃないが、私は専らジーニストであり
スカートは特別な事がない限り履かない。
ジーパンは何十本も持っているがスカートは2~3枚あったかな。。というくらい。
スカートが嫌いな理由は、あまりにも守られてない感があるからだ。
自分の信条と相反する感じはするが、そうではない。

守られてないのに履く意味がわからない。

これである。

私は、色々なものを身に着けるのがあまり好きではない。
家に帰ればまず一番にお風呂。
服も化粧も取り去りたい一心で階段を駆け上がる。
真夏日にTシャツ1枚でかのんと寝転がって暑さに耐えていると
姉、pinguの彼氏がこんちはーといつものように入ってきては
"えぇえっっ"とよくびっくりしていたことを懐かしく思い出す。

そんな私なので、整骨院へ行く時はかじかむ足をさすりながら
未だに裸足にサンダルを履いて通っていた。
そろそろ本気で寒くなり、寒さのあまり足がつったりするので
あまり好みではないがこの度、シープスキンのサンダルを購入。
"emu"という、鳥のような名前のシープスキン専門?のブランドの
"Tiger Lily"というゴツそうで可憐そうな難しい名前のサンダルである。
どこがどういいのかはよくわからないが、なぜかどこも売り切れで
やっと見つけた小さいサイズの最後の1足だったので衝動的に買ってしまった。

今年の冬は羊殿のおかげで靴下を履かずに済みそうだ。
真冬の裸足ばんざい。
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