続続・よいこの1日  -

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No.0

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12

09

22:29
Tue
2008

No.0428

滝ゆけば

先日、県外からの客人をおもてなし中に初めての滝を見つけたものの
途中で諦めたと書いたが、実は先々週、そこへ行ってきた。
車に鞭打って凸凹道を走るのは嫌なので最初の舗装道路が途切れた所に車を放置して。

1時間弱くらい歩いたところで前回引き返した場所に着く。
岩壁がそそり立つ間の道を抜け、5分程で滝への行き方を書いた看板があった。
かなり惜しいところまで来ていたらしい。
実はかのんを連れてきていたのだが、どうも一旦沢を横切らねばならないらしいので
看板にかのんをくくりつけ、待っていてもらうことにした。

私はかのんの親なので、もちろんかのんと同様に足が短い。
どうにも看板が示す場所からは沢へ降りられないので手前の堰堤の上を横切ることにした。
踏み跡を辿って斜面を登り、30cmくらいの幅の道?をガラガラと石を落としながら歩き、
大きな堰堤を2つほど超えるとその滝はあった。
が、しかし。

現れたヲーターフォールは大変立派なもので感動したのは確かだが、
はっきり言って死ぬほど怖かった。
看板がなければ絶対あの斜面の段階で諦めていたと思う。
矢印でもってあたかも普通の道かのように指し示している道が
こんなに崖っぷちギリギリの獣道だったなんて思いも寄らない事態である。
この周辺(家なんてないけど)の住人はこういう道を生活路として使っているのだろうか。
おかーしゃんに行き先も方面も告げずに出てきたことを、
使用可能かどうかは別として携帯電話を車の中に置いてきたことを心底後悔した。

ビビる私を動かす原動力は、ここまで1時間の道のりを歩いた事と
あの客人にどうしても結果報告をしたいという事と
何より、看板が立っていたという事である。

看板は覚えている限り4箇所にあった。
まずは国道から山道に入る起点となる所、
次に凸凹道の途中で道が分かれていた所、
そして勾配が緩み、若干平坦になった所、
最後に滝の手前、かのんをくくりつけた所である。
これだけ解かりやすく示しているのだから、多くの人が訪れる滝に違いない。
老若男女、みーんなここを普通に滝への通り道として使っているのだから危険はない。
と、思ったのだがいかがだろうか。

私の滝行きでは、無名の滝を探して山へ入り、崖っぷちの獣道にぶつかって
諦めて引き返すという事が時々ある。
おかーしゃんにさえ行き先を告げず、誰ともすれ違わず、誰も来ない滝を見に行くのに
あまり無理をしては危険であると最近やっと気づいたからである。
しかしこの看板は、皆がここを訪れ皆が同じ道を行くという安心感を私に与え、
何もなければ断念してしまうであろう獣道へと私を誘う何より危険な代物である。
トイレの詰まりを直す魔法のステッキでさえ「振り回さないでください」なんて、
大方の人はそんな間違った使い方をしないような細かい指示を懇切丁寧に書いてくれているのに
この看板は注意喚起どころか向かう人の危機感を削いでいるではないか。
何よりここへ来るまでの1時間の道中はおろか、この滝周辺でも誰とも会わなかった。
看板があるからと言ってたくさんの人が来るという考えはあまりにも愚かであることを知る。

と、色んな事をぐるぐる考えていたのだが結果的には何事もなかった。
待たせてあるかのんがシカやサルにいじめられていないかと心配なので
何枚か写真を撮り、少し眺めただけでいそいそと獣道を戻ってみると
来た事もない山の中で放置されたかのんは、
自分はもしかしたら捨て犬かもしれないという恐怖と戦いつつ、
ぶるぶると震えながら私の帰りを待っていた。

今回、一番怖い思いをしたのは恐らく私ではなく、
ちょっと散歩に行くだけだと思って軽い気持ちでついてきたかのんである。
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12

04

21:23
Thu
2008

No.0427

ランド・シェパード

やれやれ今日も疲れたなとロッカーからコートを取り出すと
「ええー。babarさんてコート着る人なんですか!!」
と、後輩のH殿が仰け反って驚いた。
どういう意味だそれは。
「いやいや。冬くらいはコート着させてもらえませんか。」
そうお願いしてみると、彼女の見解はこうだった。

 babarさんはいつも社内で一人暑い暑いと騒いでいる。
 そんな彼女にコートなど不要である。

今年は丈の短いコートを着ているが去年や一昨年は丈の長いコート着てたのよと言うと、
H殿はああ、あの薄ーいトレンチでしょうと膝を叩いたので
「いやそれは秋のコート。じゃなくて分厚いウールのやつですよ。」
と訂正した。が、彼女の記憶には分厚いコート姿の私などないと頑として譲らない。

まあ、私が去年どんなコートを着ていたかなんて別にどうでもいい話で
とにかくH殿は今年、コートを買いたいのだそうだ。
「私、ダウンにしようと思うんです。お金ないし。」
お金ないし?ダウンて高級やないのと思った。
「お金ないならウールの方がいいんじゃないの。アルパカとかカシミヤとか言わなければ。」
と問うと、ウールの方が高額でダウンは安価なのであるとH殿。
この一言は私に大変な衝撃を与えた。
何より、ウールよりダウンが安いなんてこんな不条理、あっていいわけがない。

羊さんの毛をお借りしてウールのコートを作っても命までは取らない。
彼らには気の毒だがしばし寒さを我慢して頂ければ新しい毛がいずれ生え揃うのだ。
しかしダウンは鳥さんのお胸の毛、フェザーが混ざっていたとしてもそのフェザーも鳥さんの羽である。
しかもコート一着分のダウンを取るのに一体どれだけの鳥さんがお亡くなりになっていることか。
痛い思いをした末に命まで取られ、挙句に安いなどと言われたのでは浮かばれない。
ダウンが安いなど持っての外で鳥さんに対して失礼である。

鳥さんが胸を膨らませている格好を真似ながら私はH殿に切々と語ると
彼女は、鳥さんの毛も刈っているのだと思っていましたと頭を垂れた。
「お寒いのならばダウンを着なさいH殿。ただし感謝の意を表して大切に着るのですよ。
そして卵もまた然りである。鳥さんがお腹を痛めて生んだ卵は腐らせる前に食べましょう。」
階段を降りながら、いつしかH殿も鳥さんが胸を膨らませている格好を真似ていた。
鳥さんの気持ちになった我々は胸を膨らませたまましんみりと会社のドアを開ける。
家路を辿る彼女の気持ちはきっとV字隊列だったことだろう。
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