続続・よいこの1日  -

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No.0

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04

08

22:43
Wed
2009

No.0440

高塚小屋模様

IMG_0279.jpg
 2泊目の小屋の中では
 昨晩の同室者である
 口クラッカーのおじさんが
 座って本を読んでいた。
 どうもどうもと挨拶を交わし、
 今日もおじさんの上で寝ようと
 梯子を上って様子を見たが
 重いバックパックを上げるのが
 急に億劫になったので
 右端にいるおじさんに対して
 私は左端を陣取ることにした。

 あんなに苦労して畳んだ寝袋を、
 勇気を出して再び引っ張り出す。

と、昨晩はまったく口を聞いてくれなかった(と、いうか話しかけられなかった)口クラッカーが
今日は若干慣れたのか、ぽつぽつと世間話をはじめた。
口クラッカーは持ってきたウイスキーを私に勧めながら
自分は静岡から18きっぷで来ており、夏の間は山でキャンプ場の管理、
冬はアルバイトなどをして生計を立てているのだと語った。
そして私がトイレに立っている隙に3cm四方くらいのちっさいちっさいメモ用紙に
施設の住所と自分の名前を書いていつか遊びにおいでとくれた。

おじさんのウイスキーを飲みながら、今夜はさぶいらしいとかここには水場がないとか
他愛もない話をしているとヘリコプターの音が聞こえてきた。
どうもこの辺の頭上をぐるぐると回っているらしくどうも騒がしい。
そこで口クラッカーと一緒に外へ様子を見に出てみることにした。
ヘリコプターはやはり頭上をぐるぐる回っていた。
「何か探しているみたいですね」としばらく2人で空を見上げていたが
まもなくどこかへ去って行ったので私たちは再びいそいそと小屋へ入った。

トロッコ道で見かけたファミリー+若いガイドが、
続いて赤ザック+若い男性の2人組が立て続けに到着すると
一気に人口密度が上がり小屋の中の温度も上がり始める。
私は赤ザックのお陰で居心地が悪くなったので、
小屋を出たり入ったりして不審な行動をとっていると
赤ザックが「水は十分持ってますか」と声をかけてきた。
「イエ、ここに水場がないと聞いたので明るいうちに汲みに行こうと思ってます」
と、引きつりながら答えると、この下にちょろちょろ流れている水は
あまりいい水ではないので縄文杉の下くらいまでお行きなさいと教えてくれた。
どうも赤ザックは登山客ではなくガイドだったらしい。
口クラッカーに水のことを告げると、彼は今晩の分くらいなら間に合いそうだから行かない
とニベもなく断られたため、散歩がてら一人で水を汲みに行った。

私は水をまったく持っていなかった。
小屋へ来る途中、縄文杉の下で確かに注ぎ足してきたのになぜ水がなかったのかというと、
口クラッカーとウイスキーを飲んでいる時に彼らがやって来て
場所を空けるために慌てて広がった荷物をかき集めていたところ、
蓋の空いたペットボトルを過って倒してしまったからである。
しまったと思い、とっさにその辺に置いてあったトイレットペーパーで拭いたところ、
水はなくなり、ゴミが増えた。

ともかく、水を汲んで戻ってくると口クラッカーは相変わらず口を鳴らしながら、
その他の一行は鹿と戦いながらご飯を作っていた。
部屋の温度はますます上がり、快適である。
2人ぼっちの時はあまりに寒くてドアの隙間風さえ危惧していた私だが、
この様子だとどうやら心配なさそうだ。

夕暮れが迫り、薄暗くなってきたのでもう寝る準備をしようとトイレに行こうと小屋から出ると
小屋の前で赤ザックが若いガイドとお酒を飲んでいた。
今日は天気がいいからもう少ししたら素晴らしい夕焼けが見えると赤ザックに呼び止められる。
若いガイドは、「雇ってもらってない人にまでガイドする事はないぞ」とでも言いたげに
あっちの方向を見てふんと鼻を鳴らした。

夕焼けはとても見たいが眠いので待ちきれないかもしれないし、
若いガイドの醸す雰囲気から彼ら一行のツアー内容に混じって外で待つのも気が引けるので
小屋の中で口クラッカーを相手に夕焼けの頃を待つことにした。
ら、いつの間にかとっぷりと日が暮れてしまい、私はまたもや絶景を見逃す。
外に出て、赤ザックに夕焼けはどうでしたかと尋ねると
思ったほどではなく残念だったが一応写真は撮ったと言って見せてくれたので
幻想的でキレイな色ですねと感想めいたことを述べて私はトイレに向かった。

トイレから小屋までの道で佇んでそろそろ寝ようと伸びをしていると
ヘッドライトが歩いてきて私に話しかけた。
口クラッカーが寝る前のトイレに来たのだろうと思い応答していたが、
「キミは明日、どこへ行くのか」という問いにはたと動きが止まる。
明日のルートについてはさっき小屋で散々話したのになと思った次の瞬間、
ヘッドライト=赤ザックであったことを悟った。
「今日は昼間からずっと見ていたけど、とてもいい感じに歩いていたので
もし荒川登山口に下りるなら、我々と時間が合えば町まで乗せてってあげるよ。」

もちろん、荒川登山口に下りるつもりだった。
足はないのでその辺でタクシーを乗り合わせて町へ行くか
夕方にやって来るバスの時間に合わせて山を下りようと思っていたので
心は非常に躍ったが、ここは平静を装って
「個人で来てるし初めての場所なので下りる時間は検討もつかないけど
もし、同じくらいの時間帯に下りて乗り合いタクシーが見つからなかったらお願いします」
と、答えた。
赤ザックは、自分が持っているお客様は一人なので問題ない、
乗せていいかどうかはお客様に聞かないとわからないが嫌だという事はあり得ないので
15時半~16時に登山口に下りてくれれば一緒に帰りましょうと言ってくれた。

ちょっとしたハプニングにより、自力でタクシーを呼ぶのは難しいと思っていた私は
何が何でも15時半前後に登山口に着くよう明日もがんばろうと決意し、
寝袋の口をぎゅっと閉めたのである。

IMG_0305.jpg

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04

09

edit
まち [No.3300 - 00:08 2009]
こんばんはー。
赤ザックさん、いい人だったんですね。
でも、なんか色々な方がいて、様々な事がおこり面白いですね。(-∀-)
babarさんは無事15時半頃には、登山口に下りれたのだろうか。どきどき(笑。

>水はなくなり、ゴミが増えた。
別に何気ない一文かもだけど、なるほどぉ~とうなりました(笑。

最初の写真って小屋なのです?!
04

09

edit
mixbabar [No.3302 - 21:00 2009]
>まち殿
こんばんはー。
今回は色んな人との出会いを楽しんだ旅でした。
単に一人でのんびりと観光して回るのが
いつもの国内旅行なので、
ある意味、海外旅行のドキドキ感を味わいました(笑)

>>水がなくなり、ゴミがふえた。
ゴミは全て持ち帰るのが基本なので
なるべく増やさないよう心がけていたもので
この1件、非常にショックだったのです(笑)

>>最初の写真
そう、小屋なのです(笑)
トイレみたいでしょうー。
04

12

edit
クロネコ [No.3303 - 23:34 2009]
お久しぶりです。
さっそく屋久島行かれたのですね。
ところでどうでもいいことながら、赤ザック氏の『とてもいい感じに歩いていた』という台詞が気になっています。
なんでしょう、素人とは思えない足運びとか、先を見据えたペース配分とか、その道のプロが見たらわかるような
ポイントがあるのでしょうか。
04

15

edit
mixbabar [No.3304 - 19:40 2009]
>クロネコ殿
こんばんはー。
>>赤ザック氏の『とてもいい感じに歩いていた』という台詞が気になっています。
実は私もこの台詞、気になりました(笑)
抜きつ抜かれつして歩いてたので、
歩くペースがほぼ同じくらいだったから上手くいけば
同時刻くらいに登山口に到着できるだろうと
踏んだのではと今になって考えてます。。。
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