続続・よいこの1日  -

09« 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 »11
--

--

--:--
--
--

No.0

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
04

21

21:46
Tue
2009

No.0443

口クラッカーのこと

山道とトロッコ道の境目には、私が泊まった高塚小屋よりも立派なトイレがある。
何となく雲行きが怪しく、雨が降りそうな気配はするが
時間調整のためここでも長めに休憩を取ることにする。
と、いうのも朝7時過ぎに小屋を出発したので普通に歩けば
昼前に登山口に着くはずなのだが、それでは早すぎるからだ。

当初の予定では、さっさと下山して町の観光をしようと思っていた。
バスは夕方しかないので、事前にタクシーを呼んで。
しかし携帯電話の繋がるスポットを探す以前に携帯電話の充電がない。
登山口から町までの足がない私はそこで、口クラッカーにそれとなく予定を聞いてみた。
口クラッカーはバスの本数が多い白谷雲水峡へ戻るつもりだと答えた。
私は一緒に荒川登山口へ下りてタクシーを相乗りしてもらいたかったので、
口クラッカーが足を痛めているのを口実に
「白谷雲水峡は峠までの道程が険しいから荷物を背負って歩くの大変でしょう」
と、進言した。口クラッカーはヘーキだと答えたので私は舌打ちした。

そんなわけで、登山口で誰か同じ境遇の人を見つけるしかないなと思っていたところへ
幸運にも車に乗せてくれるという赤ザックの申し出があったのである。
が、ここで最初に仕掛けたワナにようやく食いついた魚が現れ、私は困惑する。
なんと口クラッカーが「しかし荒川に下りて相乗りタクシー仲間を見つける手もあるな・・・」
と、寝袋の中でごぞごぞ動きながら呟き出したのだ。
そんな今さらと思いながら私は自分が足を確保できたことを言い出せず、
「・・・ですよね。でもまあ明日のことは明日考えましょう」と言葉を濁して寝返りを打った。

IMG_0346.jpg



 彼は今ごろ白谷雲水峡を歩いているかな。
 と、長い長いトロッコ道を歩きながら
 私は考えていた。
 そして、タクシーを
 相乗りしてあげなかったことを少し、
 反省してもいた。


さて、この口クラッカーのその後であるが
彼はお昼の12時過ぎに白谷雲水峡ではなく荒川登山口に到着し、
タクシーの同乗者を見つけて3人で下山、その足で静岡へと帰っていったたようだ。
なぜ私がそれを知っているのかというと、
そのタクシーの同乗者が偶然にも同じ宿に泊まっていたからである。

彼は言った。
「あれ、あなたもしかして赤いジャージのおじさんに会わなかったかい。
実はボクも今日、縄文杉に行ってて荒川登山口でバスを待ってると
おじさんにタクシーを相乗りしないかと持ちかけられたんだよね。
2人だと高いから嫌だと最初断ったら、高塚小屋で一緒だった女性が一人、
もうすぐ下りてくるはずだからちょっと待ってと必死に説得されてしまってねぇ。
登山口の方を見ながらおじさん、その女性をずっと待ってたんだよね。
結局、別の人が見つかったから3人で乗って帰ってきたんだけど。」

IMG_0212.jpg

赤いジャージだったかどうかは
わからないがその人は知っている、
もちろん「高塚小屋で一緒だった女性」は
私のことであると答え、
その時間に私が現れなかった
理由を話した。

そして自分から話を
持ちかけたにも関わらず、
私の相乗りを頼りに
荒川登山口への下山を決めたであろう
口クラッカーを裏切ったことに対し、
深く深く反省したのである。

Trackback

Post

Name:

Url:

Pass:




管理者にだけ表示    
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。