続続・よいこの1日  -

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07

04

23:53
Sat
2009

No.0452

一湊珈琲

P1000008.jpg


水溶性の足を持つ私は本来、雨の日の外出は極力しない。
なのにどうしてこんな事をしているのかというと旅の途中だからという事以外に理由はない。
とにかく私は疲れた。

布引の滝公園から離れて歩き出すもすぐに何もないことに気づき、足を止めた。
やみくもに歩いても結局はバスに乗るため戻ってこなければならないわけだし。
滝に背を向けて真っ直ぐか左か(私は右方向からやって来たので)、どちらに進もうか
道端に立って考えていると公園のすぐ前にある民家のような家の扉に
「issou coffee」と書いてあるのが目に留まった。
ガイドブックから切り取ってきた地図を見ると「一湊珈琲焙煎所」とある。
もうここしかないと思った。

P1000009.jpg
店の主は若い殿方。
どこか面白い所ないですかと尋ねた所、
「そうですねこの天気ですし。
晴れてたらその辺歩き回っても
いいと思いますが・・・
うーん。ここで読書するのが
ベストじゃないですかね」
と、困った顔をした。

はーそうですかと答え、
これもくださいとチョコビスケットを
ビシッとレジの前に置いた。

喫茶店ではあるが名の通り、本業は焙煎所なのだろう。
コーヒーが並ぶカウンターの前にソファが一つ、
窓際の隅にも小さなソファがあったがフライヤーや雑誌が並べられており
他に座席と言えるものは外のテラスに滝の方を向いた椅子だけである。

雨宿りで入った喫茶店で雨に打たれながらコーヒーを飲むのは私の本意ではないため、
カウンターの前にあるソファの傍に立ち、ここに座ってもよいかと店主に尋ねてみた。
店主は、勿論である、自分は手紙を書いていただけなので話し相手にもなると言った。

コーヒーを受け取り、たくさんの本が並ぶ本棚からインド旅行記を手にソファに座る。
ここの本棚にはインドの本が多い。
インド(ゾウ)が好きかと尋ねると、行ったことはないが
屋久島を訪れる観光客は、皆揃ってインドは素晴らしいと言うもんで
何か屋久島と共通点でもあるのかと興味を持ったのだそうだ。
この店には旅行客も多く訪れるから、仲間を見つけて遊ぶといいとも言った。

屋久島旅行について店主と話しながらインド記を読み、
インドと縄文杉を行ったり来たりしているところへお客さんが入ってきた。
入ってきた客は確かに観光客だったが夫婦と幼い男の子のファミリーである。
ファミリーは私の隣にカタマリになって座り、30分ほどを過ごした後に出て行った。
彼らが去ってしばらくすると店主は「さすがにファミリーに話は振れませんでした」と侘びたが、
私としては「この一人旅のお人をあなた方のお仲間に」なんて振ってもらっても
それはそれで困るので、彼の常識的な行動に感謝する。

再びインド記に目を落としたが、ふと思い立ち、
どこか夕飯を食べるのにいい店はないかと聞いてみると
ガイドブックを出してきて手頃な値段でおいしいものが食べられる店を紹介してくれた。
そのガイドブックを眺めていると、布引の滝国立公園が載っており、
説明書きにはこう書かれていた。
「普段は水量の少ない滝だが、大雨の後は布を引いたように美しい滝が現れる幻の滝である。」
そして
「この滝は遠方からの眺めが大変美しい。」
あんなに苦労したのに、私は鑑賞方法を間違っていたようである。

ガイドブックに鞍替えしたお陰でインド記は半分くらいしか読めなかった。
この続きを読むためにもまた屋久島に来ようと決意を胸に私は店を出た。

P1000006_20090610004658.jpg
 バスを待つ間に
 布引の滝を眺める。
 布を引いたように・・・は見えない。
 どちらかというと
 ティッシュがはざかっている。
 と、言った方が正しかろう。

 どうもこの程度の雨では
 本気の布引の滝は
 拝めないのかもしれない。

帰りのバスは、行きのバスが折り返してやって来たので
運転手はもちろんあの運転の荒いおっさんである。
無言のまま、宮之浦まで二人きりのバスドライブを楽しんだ。

ところで・・・
「はざかる」ってわかりますか。
書いてみて漢字変換できなかったので
これが方言であることに初めて気づいた次第なのだが、
「引っかかる」とかそういった意味で我々babar県民は日常的に使用しております。

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