続続・よいこの1日  -

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03

10

23:56
Wed
2010

No.0496

ビルマ記 -エピローグ&タイ記-

長々と書いてきたビルマ記であるが滞在はたったの3日間、
全行程では5日間の弾丸旅行である。
初めは白い象さえ見られればそれでいいと思っていた。
白い象を探すことこそこの旅の目的であり、
後はお付き合い程度と考えていたのだが
いざ行ってみると、あんなに素敵な国は他にないと思える国だった。

最終日は、朝7時から開くホテルのレストランへ7時きっかりに行って朝食を取り、
7時15分には空港へ向かうタクシーに乗っていた。
空港は賑やかさはないものの、新しくキレイな建物である。
搭乗口の待合には、タンクに入ったミネラルウォーターが備え付けられている。
一人の従業員がやって来てタンクの上に載せてある洗面器から銀色のコップを取り出し、
そこに水を注いで飲み、おかわりを注いでまた飲んだ。
彼は使用済みのコップをちゃっちゃっと振って水を切り、
もとあった洗面器に戻すと自分の持ち場へと戻って行った。
次に少女がやって来てまたタンクの上の洗面器から銀色のコップを取り出し、
水を注いで飲むとまたちゃっちゃっと水を切って洗面器に戻した。

これがビルマで私が見た最後の光景である。
私は飛行機に乗り、この愛すべき土地を後にした。

トランジットで半日空いたため、4年ぶりのバンコクを訪れることにする。
ここからはタイで過ごした半日の残念な模様である。

スワンナプーム空港に降り立った私は、
ビルマ出発時の元気が嘘のように消えて腑抜けの状態だった。
体調不良が盛り返してきて、イミグレーションまで辿り着くことさえできずに
途中のベンチで座り込んでいた。
このまま入国せずに半日をこのベンチで過ごそうかと萎びていたのだが、
せっかくバンコクに来たのだし、ロイヤルエレファント博物館にどうしても行きたい。
そんな思いが私を奮い立たせ、とりあえず日焼け止めでも塗りに行こうとお手洗いへ向かった。
ここで私は限界を迎えたと見え、洗面所に立つはずが個室に直行し、
しばらく便器と顔を突き合わせる羽目になる。

お手洗いを出ると気分も幾分ラクになり、ようやくイミグレーションの列に並ぶことができた。
しかしこの長蛇の列が曲者で、待てど暮らせど自分の番が来ない。
隣の列に並ぶ欧米人のおじさんとゲンナリした顔で苦笑しながら1時間以上は待っただろう。
ようやく次が自分の番という時に、後方でフラッシュが光った。
後ろを振り返ると向こうの方で金髪の中年女性が写真を撮っている。
なんだか嫌な予感がした。
当然ながら彼女達はひどく怒られ、カメラに収まっている写真を見せろと詰め寄られることとなった。
もちろん詰め寄っているのは私の列を担当する審査官である。
今日が彼女達の旅の一体何日目になるのか私の知る所ではないが、
列の先頭に立つ私など気にも留めずに審査官は
結構な時間を費やして彼女達の旅の思い出を1枚残らず全てチェックした。

やっとの思いで空港を出て、街へ向かうバスのチケットを購入してベンチに腰掛けた。
バスはなかなか来なかったが、私が座ってすぐに
50代くらいの陽気な女性がビールを片手にやって来て私の隣に陣取り、
カセットテープの早送りのような口調で話しかけてきた。
バスを待ち、バスに揺られ、バスを降りるその時まで私の耳はこの早送りに捕まったままとなり、
その間にわかったことはと言えば
彼女はアラスカから来たという事と
私の休暇はあり得ない程短いという事と
ビルマはとても素晴らしい国であると言う事と
ビールをもう1本買ってきたいのでバッグを見ていてほしいという事である。

バスを降りると私はそそくさと歩きだした。
どこかで耳と体を休めたいがあいにくの体調不良により
現地メシも現地カフェも受け付けられない状態である。
そこで、日本にいても行かないケンタッキーなるお店でコーラを飲むことにした。
メニューを見ながら何か食べようかどうしようかと悩んでいると、
背後に私のお尻をぼこーんと蹴飛ばすけしからん輩が現れた。
振り向いた私の視線の先には黒いTシャツ、見上げると坊主頭の大きな殿方が立っている。
絡まれるのか。
たった5日の旅行なのに私は絡まれるのか。
と、悲しくなっていると大きな殿方が「また会ったね」と口を開いた。
どうやら彼はバスに乗る時に一言二言の言葉を交わしたカナダの青年だったらしい。
よく知らない殿方に尻を蹴飛ばされる謂れはないが
友好のしるしとして受け取っておくことにする。

さて、いい加減に私は博物館へ行きたい。
店を出てタクシーを捕まえようと再び歩き出すと程なくして
1軒の店先で昼間からビールを飲んでいる中国人にヘイヘイと声をかけられた。
どうせ大方、旅行者にヤジを飛ばしているのだろうと思いながら
どうもどうもと前を通り過ぎると、そのうちの一人が待って待ってと追いかけてきた。
今日はあそこに座っている彼のお誕生日である。彼はキミと話がしたいと言っているので
お祝いだと思ってビールを飲んでってくれないかと、こう言うのである。
せっかくだからじゃあ少しだけと寄っていく事にした。
料理も食べてゆっくりして行けと言われたがどうも食べ物は喉が受け付けないので
誕生日の彼が剥いてくれた落花生だけつまみ、ビールで乾杯をした。
誕生日の彼の小指の爪がワシのように伸びているのが気になった。

そんなに長居をしたわけではない。
ビールを2杯頂いた所で、じゃあ私は先を急ぐのでこれにてと席を立つ。
滞在時間はおよそ20分くらいだったと思う。
なのに。

私は結局、ロイヤルエレファント博物館には行けなかった。
体調不良から始まりイミグレーションでの長蛇の列、
写真撮影をしたたわけ者との遭遇になかなか来ないバスを待つ事で時間を大幅にロスした上に、
他人に尻を蹴飛ばされて見知らぬ人の誕生日を祝っていた間に
いつの間にか博物館の閉館10分前になってしまっていたからである。

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03

16

edit
まち [No.3533 - 01:03 2010]
バンコクに降り立ち、babarさん様々な事ありましたね(笑。
んっー私も実は、乗り継ぎ8時間くらいあったんですが、
帰りは空港から、出ずでした。。。
ボルネオ島で行ったクロコダイルファームを思い出し、
バンコクのにも行こうとも思ったけれど、結局空港で、
本を読みふけ、マッサージをし、全然変えなかったお土産を、
慌てて購入という終盤。。

でも本当に、ビルマ素敵な国でしたね!!
03

16

edit
mixbabar [No.3536 - 19:25 2010]
>まち殿
あ、きっと私と同じ便ですね(笑)
私はロイヤルエレファント博物館に行きたかったので
外に出ましたが、こんなことなら
ゆっくり空港でいてもよかったなと後になって思います。。
イミグレーションがネックですよねバンコクは。。。

>>でも本当に、ビルマ素敵な国でしたね!!
ハイ!全く同感です。
あんないい国、なかなか出会えないですよね。
いつかきっと再訪したいです。
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