続続・よいこの1日  -

09« 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 »11
--

--

--:--
--
--

No.0

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
04

28

23:00
Wed
2010

No.0510

スーパー林道~犬の尻淵

CRW_4130.jpg

上勝を起点とするスーパー林道は日本最長の林道である。
が、起点から終点まで走り抜けるのは
バイクさんとかジムニーさんにお任せすることにして、
私は滝探しに勤しむことにする。
さて、スーパー林道沿いには百間滝という滝がある。
この百間滝、落差は30m程でなかなか立派な滝なのだが、
実を言うと私はあまり好きではない。
今まで何度となく挑戦してみたが、妙に怖くてこの滝の前では5分といられないのだ。
滝に限らず私には時々、そんな場所がある。
とにかく、今日はそんな百間滝の遊歩道入口から数m離れた場所から山へ入り、
この沢の上流を目指すのである。

取りつきこそ急坂ではあるが、杉林に入ってみると
幅1mくらいのなだらかな山道が続いていた。
こんなに整備された山道だったなんてラッキーだと足取り軽く歩を進めた。
今日は家を出る時から嫌な予感がしていたので防水のデイパックを背負い、
中には水筒とタオルを入れ、いつもは全く使わない軍手を歩き始めからはめていたのだ。

しかし、杉林を抜けたあたりから足元の様子が変わり始めた。
嫌な予感は的中していたのである。
落ちた杉の葉に代わって石が目立ち始め、地盤は緩く道はどんどん細くなり、
肩幅くらいしかない道を進んでいたかと思うと、
大雨の時にはきっとここは滝になるであろうと思われる土砂が崩れた後が
乾いたような斜面に大木が横たわっており、
ガラガラと石を踏み落としながら大木にぶら下がるようにして
向こう岸へと渡る羽目になってしまった。
大木はもちろん道を塞いでいるのだけれども、これがなければきっと
私が踏み落としたあの石もろとも私もこの斜面を転がっているだろうと思った。

いつもならば「この木を掴めるものなら掴んでみろ」と言わんばかりに
嫌味な顔を並べながら生えている木の幹のキノコや苔さえも
「私を押し潰しても構わないからこの木にしっかりしがみついてお行きなさい」と
励ましてくれているような気がする。
と、言うかキノコが嫌だの苔が気持ち悪いだの言ってられないくらい私は必死なのである。

大木と潰されたキノコや苔のお陰で斜面を切り抜けた後は
またなだらかながらやはり細い細い山道を歩く。
高い所は苦手な私は右下を見ただけでめまいがしそうである。

乾いた道が何となく湿ってきたなと思ったら、左側の斜面に苔が見え始め、
もうすこし歩くと、斜面がちょっとえぐれている所を水が落ちていた。
ここまで1本道でどこにも分岐などなかったのに行き止まりかと思いきや、
その先にまだ山道が続いているところを見ると
この水は突破すべき試練であることがわかる。
大した水量じゃないから「水が落ちている」なんて軽く言うけれども
これで水が多ければ立派な滝だ。
ここまで来て文句を言っても仕方ないので左半身を濡らしながら行者のように渡る。
濡れるのは大の苦手な私ではあるが、左半身を犠牲にしてそろそろと渡りきるのと
濡れまいと急いで苔や水垢に滑って自らが滝になるのとを秤にかけた時、
私はもちろん、迷うことなく前者を選んだ。

冷たい難関を突破して再び歩き始めるとまもなく、
百間滝の沢に近づいたらしく水が激しく落ちる音が聞こえ始めた。
恐らくここの辺りが百間滝の真上くらいにあたるのだろう。
この百間滝を真上から見ることもできると聞いたけれど、
滝の落ち口に行くために一時とは言え、
順路を逸れるような危険を増幅させるマネはやめておく。
百間滝の落ち口に興味がないわけではないけれど、順路じゃない斜面を歩いて
斜面を転がり落ちたりするのは嫌だし、無事に滝口に到着できたとしても
万が一、滝口から足を滑らせてしまったら、
落差30mをヤッホーと笑顔で急流下りできる自信は残念ながら私にはない。

冷たい水に打たれた左半身が徐々に乾いてきてしっとりしてくると、
山道は徐々に沢へと近づき、遂に沢と並行に伸びる道に出た。
目指す犬の尻淵はもうすぐだろう。
と、ずんずん歩いて行くと右手に橋というか、棒が2本、沢にかかっていた。
橋のつもりであろうがこれを渡れというのは果てしなく無茶な話である。
その橋の下は緑色の淵になっており、ごうごうと大量の水が落ちる音がしていた。
そう、犬の尻淵に到着していたのである。

この山道からは滝が見えないので滝を見るには沢へ下りる必要がある。
見まわした所、色んな人がここを訪れては
めいめいが好き勝手に斜面を下りているらしく、
特に苦労なく沢へと下りることができた。

滝は落差のない小さなものではあったが大量の水が流れ込む迫力のある滝であった。
その滝が流れ込む淵も直径は4~5mくらいではあるが、
深さは相当なものらしく、底は全く見えない。
近づくと吸い込まれるのではないかと思うほどである。
緑色をしたその深い淵から溢れた水は下流へ向かい、やがて
百間滝となり勝浦川へと流れ込む。
沢の真ん中にある岩の上で、そんな水の一生に思いを馳せる…

なんて感傷的な気持ちになるわけもなく、
怖い百間滝の上流にある犬の尻淵の滝ももちろん怖かった。
しかし同時に、とても嫌な気分だけれどまだ上流に何かありそうだ。
二度とここへ来たくないからこの上流にまだ何かあるなら
今日、全部見ておいた方が良さそうだ。
とも思った。

そんなわけで私は再度山道へと戻り、
行きたくないけど行きたいというジレンマを抱えながら
この上流を目指して再び歩き始めたのである。

Trackback

Post

Name:

Url:

Pass:




管理者にだけ表示    
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。