続続・よいこの1日  -

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07

14

22:30
Wed
2010

No.0517

列車模様

CRW_4396.jpg

デリーからアグラへのチケットは駅の2階にあるツーリストオフィスではなく、
1階の現地の人と同じチケット売り場で購入する。
と、事前に聞いていたがG殿に信用してもらえず、まずはツーリストオフィスを訪ねた。
ガイドブックには、駅はウソツキインド人がたくさんいる上に
ツーリストオフィスは分かりにくいので辿り着くのに苦労すると書いてあったが
誰に阻まれることもなく、迷う事もなくツーリストオフィスのドアを開ける。
クーラーの効いた涼しい部屋で順番を待ち、カウンターに行くと
アグラ行きの切符は下で買えと一蹴されてすごすご部屋を出る。

下の切符売り場は人の頭でいっぱいになっており、複数ある窓口に
それぞれ一列になって並んでいるのにカウンターが近づくにつれて密度が増してきて、
さて次は自分の番だという時になると後ろや横から
お金を握った腕が色んな方向から飛び出て来た。
気の弱そうな小さな外国人だと思ってナメて遊ばすのねと思い、
お腹にまきつけた貴重品を気にしながら負けじとお金を突き出す。
“アグラまでーぇー…オトナ2マイ!“とカウンターにしがみつきながらやっとの思いで告げると、
10本くらいあるお金を握った腕の中から窓口の人は
黄ばんだ小さな腕、つまり私の出した手からお金を取り、チケットをくれた。
よかった。インド人は図々しいけど公平な、あるいは
人ごみでつぶれそうな私を気の毒に思ってくれる優しい人種であるらしい。

チケットを握りしめて次なる難関はどのホーム、どの列車、どの車両に乗るかである。
お巡りさん風の制服を着ている人とその辺を歩いている人と売店の人に訊ね、
全員が9番だと言うのでそれを信じて9番ホームへ向かう事にした。
ホームに向かう我々の頭の上からアグラ行きは9番ホームですよとアナウンスが流れていた。

降り立ったホームにあったのは長い長い電車である。
電車ではなく汽車のみ走っているbabar県の列車は最大でも2両なので、
こんな先頭が見えないほど長い電車は私に大きなショックを与えた。
どの車両に乗るべきか迷いつつ、ホームを歩く。
車体にACと書いていて窓が閉まっていて中が見えないのは恐らくエアコン車両だろう。
車体に3Tierと書いていて鉄格子見たいな窓が空いていて
ギラギラした目がいっぱい覗いているのがきっと3等、つまり我々の乗る車両だろう。
3等の比較的空いていそうな車両…
なんてあるわけがなく、どの窓からもたくさんの視線や腕がはみ出ている。

仕方がないので一番近くにある入口から乗り込もうと歩を進めると、
一人の若い殿方が同時に乗り込んできた。
自分の持っているチケットを見せて、この車両のクラスで合っているかと尋ねると
この車両で間違いないと言って電車の中へと誘導してくれた。
電車の入り口脇にはひどい悪臭を放つ薄暗いトイレがあり、その前には
やせ細った若い婦人と老女、そして婦人の子供らしき裸の赤ちゃんが転がって
何か訴えるような目で私達を見ていた。

車両の中は既に満員で、こんな混雑した車両に大きな荷物を持ち込んで申し訳な…
…いや、インド人達の方が大荷物である。
何が入っているのか皆目見当のつかないボストンバッグや
紐で縛った1m四方くらいの包みなどが荷物棚に押し込まれ、或いは足元に置かれていた。
2年も世界を旅しているバックパッカーG殿が、自分のバックパックはでっかいから
椅子の代わりにこの上に座ってもいいと言ってくれたので
遠慮なく腰かけさせてもらい、人の熱気に耐えながら扇子を使っていると、
向こうの方からさっきの殿方が、“席を一つだけ作ったから君だけおいで“と手招きした。
G殿には申し訳ないがここはレディファーストということで、
私は2段になっている座席の上の段に座っている殿方の隣に座り、インド人との密着を免れる。
夜行になると寝台として使うのであろうこの席はすのこのように隙間の空いた板張りなので
列車が走りだすとお尻の下を風が通り、非常に快適だ。

さて、下の通路に座っているG殿は無事だろうかと覗きこむと、
いつの間にか席を確保しており、夢中になって何かの文庫本を読んでいた。
安心した私は、体育座りをしたり乙女座りをしたり胡坐をかいてみたりしながら
席をくれた殿方との会話で4時間を過ごすことにする。

パリッとした黒いシャツを着た殿方A殿は何と若干19歳の学生であった。
姉の結婚式のため、アグラよりもう少し先にある故郷まで帰省する途中なのだそうだ。
どこから来たのかという問いに対し、日本であると答えると彼は、
日本は素晴らしいテクノロジーを持った国だと目を輝かせていた。

お昼の11時ぐらいを過ぎた辺りだろうか。
私のお尻の下を爽やかに吹き抜けていた風が突如、熱風に変わった。
持っていたペットボトルの水はもはや水ではなく、
世間一般論としてこれは湯というものではないかと思う。

絶対人なんか通れそうにないほど人の頭でびっしりと埋まった通路を
フルーツ屋さんとかお菓子屋さんとか本屋さん達が
人と人の間のちょっとした隙間に自分の体をねじ込みながら通り過ぎる。
そしてラクナウという駅に停車した途端、一気に大量の人々が下車していった。
乗車率も100%くらいまでは下がったかもしれない。
モノ売りの人達もさぞ仕事がやりやすくなったことだろう。

人が少なくなったら今度は60歳くらいだろうか、
サリーを着た女性が太鼓を叩き、歌を歌いながら歩いて来て、
「アンタ、歌聞いたんだからお金払いな」とでも言わんばかりに
乗客の目の前に手のひらを突き出した。
いくらかの小銭をもらって去って行った彼女は、とても心地よい声の持ち主だった。

もう少しでアグラに着くだろうという頃、突然通路に立った中年の殿方が
大きな声で朗々と何事かを語り始めた。
最初は怒っているのかもしくは経典か何かを朗読しているのかと思ったがそうではなく、
彼もまた、売り子であった。
インド版・実演販売をする殿方はにこりともせずに
くしやバスタオルなどの雑貨を次々に出しては乗客に触らせ、
しまいには織物のようなでっかい布まで取りだしてセールスをしている。
一生懸命に仕事をする彼の努力もむなしく、結局誰も何も買わなかったが。

そうこうしているうちに電車はアグラへ到着。
ホームには何も書いてないがとにかくここがアグラらしい。
親切な殿方A殿にたくさんお礼を言って別れ、ホームを後にした。

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07

17

edit
けにお [No.3691 - 22:50 2010]
こんばんは。
文章の登場人物がみんなキャラ立ちしていて面白いし、インドの熱気と混沌が
すごく伝わってくるように思えるわ~。

babarさんの写真は、その時の一瞬が閉じ込められたようなのが多くて独特だよね。
これもソフトフォーカス掛かったみたいで、不思議な空気。
07

17

edit
まち [No.3692 - 23:28 2010]
こんばんはー。
インドの熱気が伝わってきました(笑。
私も鉄道に乗る予定で、これまた不安になってましたが、
楽しく読ませて頂きました♪

そういえば、babarさんってビザどうしました?!
空港でとりました?
07

19

edit
mixbabar [No.3693 - 19:34 2010]
>けにお殿
こんばんはー。
どもありがとうございます。
けにお殿がインドに行く時の参考になればと思います。。

今回は同行者がいたこともあって
あんまりじっくり写真撮る暇なかったけど
けにお殿にそう言ってもらえると嬉しいわ(笑)
07

19

edit
mixbabar [No.3694 - 19:39 2010]
>まち殿
こんばんはー。
やっぱり列車乗られるのですね!
アグラ行くなら下の切符売り場ですよー(笑)
がんばって横入りするインド人と戦ってください。。

ビザは事前に取っておいた方がいいですよ。多分。
ただでさえ到着が遅いのに、
その上インドですから(笑)、どれだけ待たされるか
わかったもんじゃないですしね。
そして空港から町までは少々お金を払って
送迎を頼んだ方がいいです。
タクシーもリキシャーも使わない方がいいですよー。
07

31

edit
Kasshy [No.3706 - 21:28 2010]
どこでもそうだけど、インドって特に混沌。
いろんな人がいるんだろうね。
弱冠19歳の若者と... 思わず、大好きな映画スラムドッグミリオネアを思い浮かべました。

写真がすっごく素敵。こういう写真を撮りたい!って写真です。
08

02

edit
mixbabar [No.3713 - 00:45 2010]
>Kasshy殿
こんばんはー。
混沌、まさにその通りだと思います。
色んな人がいて色んな生活をしていて…

>>スラムドッグミリオネア
この映画、私は全く知りませんでした。
おもしろそうですねー。
今度、一度見てみたいと思います!
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