続続・よいこの1日  -

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08

07

12:03
Sat
2010

No.0524

ニッポン

CRW_4438.jpg

バラナシのインド人は日本語が上手である。
どこを歩いても日本人だとわかるや否や土産物屋の店員の半数は日本語で挨拶をし、
5人に1人は片言の日本語を少しだけ話し、10人に1人は日本語をほぼ完璧に話した。
親切なインド人少年のお陰で無事に宿に帰れたので、
お礼にお土産の紅茶を買ってあげることにした。
店は新しく開店させる途中らしく、ちゃんとお茶はあって営業はしているものの
ペンキだの工具だのが狭い店内に散乱している。
少年は日本語の勉強中らしく、ほんの少しだけ日本語を話した。

店に入ってすぐにやって来た彼の友達だという青年は、とっても早口ではあるが
日本語がペラペラである。彼は斜め前の洋服屋さんで働いていると言った。
「キミ、インドは初めてじゃないね。どっかで会った?」
と洋服屋の彼が言う。
私は、インドは初めてだしバラナシは数時間前に来たばかりだしキミの事も知らないと答えた。
彼は、いつか来た日本人のなんとかちゃんによく似ていたから聞いてみたのだと言った。
ひと昔前のナンパのようであるなと思った。
その後、お茶屋さんの少年がチャイを買ってくるからと出て行ってしばらく、
この胡散臭い早口の青年と会話をして時間を潰す。
会話と言っても彼の持論をひたすら聞いていただけである。
とにかく、彼はインド人は人を騙してばかりだけど自分はそういう人間ではない、
というような趣旨の話を延々と早口でしゃべり続けた。
もっとも、彼の話のどこをとっても私の心の琴線に触れる部分はなかったが。

ちょっと紅茶を買いに来ただけなのに思いの外、時間を取られてしまった。
G殿の待つ宿へ再び戻ると、アグラではあんなに暑いのが嫌でクーラーがどうのと言っていた彼は
外より暑いんじゃないかと思うような部屋の中で倒れていた…いや、眠りかかっていた。
ファンもつけずに暑いじゃないか、こんな所にいたら死んでしまうと叫び、
ファンのスイッチを入れようとするも、いくつかあるスイッチのどれを押してもファンがつかない。
どうやら停電らしい。
停電になっても自前のバッテリーでファンは回るんじゃなかったのか。
話が違う、こんな暑い部屋にいられるかいと一人で憤慨し、
外の方がマシだとG殿をまくし立てて外出することにした。

路地を出て、広い通りを歩いていると道を挟んだ向かいの店に座って
こちらに手を振っている白人殿方がいる。
立ち止まってよく見てみると、N殿であった。
何してんのとご機嫌な様子のN殿の傍に駆け寄るなり私は、
停電でファンが回らず暑くてたまらないから外に出てきたと
鼻息も荒く彼を責め立てた。
彼は落ち着いた様子で「おかしいなーそう怒んないでよ」と私を窘め、
宿の人に言ってくれと事も無げに言った。
また、まだ外は暑いからここで少し休んで行けばと提案したので
見まわすとここは布屋さんであることに気付いた。
そうそう布も欲しいんだったと思い出し、
じゃあ象の柄が入った布を買いたいからここでお買い物をすると言うと、
N殿はチャイでも飲みながらゆっくり選んで行きなさいと言い、
その辺にいる人にチャイを買いに行かせた。

「奥にいっぱいあるから彼と一緒に見ておいで」
とドアの向こうの部屋へ私だけ通され、一人の青年と中へ入った。
何か涼しいパンツでも買おうかなと呟いたG殿は
N殿に相手をしてもらって布を見ながら時間を潰す。

四方が布の棚になっていて窓のない、締め切った部屋はとっても暑い。
暑いから宿を出てきたのにこんなに暑い部屋で布選びするのは嫌だと文句を言うと、
青年は「チョットマッテ。マダハジマッタバカリダカラ」とファンを指さした。
ハジマッタバカリ…「ファンをつけたばっかりだから」と言いたいのだろうか。
この布屋の彼は名をB殿と言い、N殿の一番の友達である事を後になって知る。

箱の中から何十枚も布を出しながら彼のセールスが始まる。
その第一声は、「キミ、インドは初めてじゃないね。どっかで見た事あるよ」だった。
またもや陳腐なナンパの手口のようなセリフに思わず笑ってしまった。
どうして笑っているのと不思議そうなB殿に、私はやはりインドは初めてだと答えた。
すると「自分の友達にジュンチャンて女の子がいて、キミはその子にそっくりだ。だから
見た事があるような気がしたのかもしれない」と大方想像通りの返答を返してきた。
インド人の土産物屋の接客は大体同じ切り口から入るらしい。

が、B殿は片言ながら素晴らしい日本語で絹の見分け方や柄の説明を披露し、
しびれを切らしたG殿がもう決まったかいと部屋を覗きにくる程の時間をかけて私は布を選んだ。
結局、シルクのストールを1枚選び、ちょっとだけまけてとお願いして購入。
大分長い間、G殿を待たせているので早々に立ち去ろうと思ったが
B殿は自分が布をたたんでいる間に写真を見て欲しいとアルバムを出してきた。
仕方なくアルバムをめくって知らない人達の写真や風景写真を眺め、
3冊のアルバムをさっとめくって見終わったが何十枚も広がった布はまだ大分残っている。
客である私がこの後片付けに付き合う必要はあるのかと疑問に思い、
友達をずっと待たせているからもう行くと彼に告げ、
もうちょっと話したいと言う彼を残して部屋を出た。

部屋の外へ出ると暑さは幾分和らいでおり、
日の沈みかけている町は何となくオレンジ色っぽくなっていた。
怒ってはいなかったが当然のごとく待ちくたびれているG殿に
待たせてごめんと謝ってから布屋を後にした。

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08

14

edit
けにお [No.3725 - 01:04 2010]
ストール選び、拘りそうだよねぇ(笑)

アジアの宿で設備に期待しちゃったら、もうこっちの負けだね。ミャンマーでそれを悟りました。

笑える瞬間を捉えた写真だね~。
08

14

edit
mixbabar [No.3727 - 11:43 2010]
>けにお殿
こんにちはー。
もちろん拘ります(笑)
ミャンマーはあんまり買い物しなかったから
まいける氏が待ちくたびれるシチュエーションは
なかった(と思う)けど、
インドと言えばシルクとかカシミヤとかコットンとか
象とかゾウとかそれから象とか。。。
お土産屋さんを回って一日中何かと選んでいたので
「こんなに買い物好きな人、初めて見た」と
仲良くなったインド人もびっくりしてたよ(笑)

宿はその後、N殿が言っといてくれたらしく
ファンが止まる事は二度となかったのです。
あの暑さ、ファンが止まったら絶対死ぬよ…
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