続続・よいこの1日  -

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13

22:14
Thu
2011

No.0539

猿の復讐

CRW_5059.jpg

こうして、狭い屋上で数時間を過ごしたが結局洗濯物は乾かなかった。
沈む夕日を眺めていると、にわかに周りが騒がしくなってきた。
屋上の周りに大勢のサルが集まって来ていたのである。
C殿が「もう片付けて下に降りるよ。今からは彼ら(サル?)の時間だから」
と、言ったのでしぶしぶ湿ったジーパンやスウェットの類を引き上げることにした。

洗濯物を片づけながらふざけていると誰かがうおーと叫んだ。
なんと知らぬ間に1匹の猿が忍び寄って来ていて、
洗濯物を奪ってやろうとハーフパンツに手をかけているところだった。
カーッカッカッと牙をむいて怒り狂う猿に小石で応戦した結果、
ハーフパンツは奪われなかったものの、ひらひらと下へ落ちてしまった。
下は他人の家の屋上である。
C殿の話によるとこの家の主は、殆ど屋上へ上がってこないそうだ。
私は玄関から訊ねて行って取らせてもらえるようお願いしてはと言ったが
なぜか3人ともそれを頑なに拒み、屋上にあるガラクタを物色し始めた。

C殿が見つけたのは凧の糸と釘。
この釘を凧の糸に括りつけて引っかけて取ろうという魂胆である。
下まで3mくらいあるしそんなちっさい釘で持ち上げるなんて
いくらなんでもそりゃ無理でしょうと私は言い、
他に何かいいものがないかと再び顔を落として物色を続けた。
数秒後、歓声にはっと顔を向けると
C殿は見事、ハーフパンツを救出していた。

この一件で一躍ヒーローになったC殿だが
猿にとっては全く以ておもしろくない事態である。
よかったよかったと我々が屋上を後にしたのを見計らい、彼は復讐を企てた。

翌日、宿の人がやって来てC殿と何やら神妙に話をしていた。
何事かと尋ねると、昨日屋上に持って行った椅子を戻し忘れて
屋上に置きっぱなしにしてしまったため、
椅子が猿に弄ばれてエライ事になっているとのこと。
上に行ってみると、椅子は見るも無残な様子で佇んでいた。

どうにもならないけど一応補修をすると言ってC殿は
凧用のセロハンテープで敗れた椅子を張り合わせ始めた。
ガムテープを買いに行こうと提案したが
彼はセロハンテープでいいと譲らず、
私もスポンジを押し込み押し込み補修を手伝った。

「椅子なんて食べないくせに楽しいのためだけに
こんなことするんだから猿なんて大嫌いだ」と彼はぼやいていたが、
サモサやお菓子やバナナなんかを、彼は時々猿にあげている事を私は知っている。
が、そんな彼の善行など知る由もない、
隣のビルや塔の上であくびをしたり毛づくろいをしたりしていた猿たちは聞き逃さなかった。

私の帰国後、自分の洗濯物を屋上に干していた彼は
ふと目を離したすきにお気に入りの青いパンツを猿に奪われたと悔しそうに語った。
返してくれと頼んだが猿は聞き入れず、マフラー代わりに首に引っかけて
そのまま走り去ってしまったのだそうだ。
猿とC殿の確執は想像以上に根が深そうである。

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